日本労働組合総連合会〈連合〉の神津里季生事務局長は1日、政府が閣議決定した「日本再興戦略改定2015」について「企業が世界で一番活躍しやすい国づくりをめざすというもので、容認できるものではない。特に、労働者保護ルールの改悪につながる方針が引き続き盛り込まれたことは極めて遺憾」との談話を発表した。
神津事務局長は「雇用制度改革・人材力の強化では、いわゆる解雇の金銭解決制度を導入する方針が明記されている」とし「不当解雇を行って敗訴した使用者をも救済する制度が導入された場合、不当解雇が実質的に合法化されることとなる懸念が強いこと等から撤回すべき」と指摘した。
また「今国会に提出されている労働基準法改正案にのっとり、働き過ぎ防止のための取り組みを強化することとしているが、長時間労働是正に向けた実効性ある措置を欠いた同法案を前提としている以上、十分な効果を期待することはできない。過重労働を助長する高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の対象拡大など、労働基準法の改悪を行わないよう強く求める」と政府の労働法制見直しへの取り組みをけん制した。(編集担当:森高龍二)