4月の実質賃金、0.1%減。速報値から下方修正

2015年06月22日 07:52

男性写真

18日に厚生労働省は、2015年4月の現金給与総額から物価上昇分を除いた実質賃金の確報値を発表。それによれば前年同月比0.1%アップから一転して、前年同月比0.1%ダウンという結果であった。

 「2年ぶりのプラス」と思われた4月の実質賃金だったが、あくまでそれは速報値であった。18日に厚生労働省は、2015年4月の現金給与総額から物価上昇分を除いた実質賃金の確報値を発表。それによれば前年同月比0.1%アップから一転して、前年同月比0.1%ダウンという結果であった。これで「2年ぶりのプラス」はぬか喜びということになり、24ヶ月連続のマイナスとなった。

 18日、厚生労働省は15年4月の毎月勤労統計調査(事務所規模5人以上)の確報を発表した。それによれば実質賃金は今月2日の速報値の発表では前年同月比0.1%プラスとなっており、2年ぶりのプラスであったが、今回の確報値では前年同月比0.1%ダウンに下方修正され、結果、24ヶ月連続のマイナスであった。下方修正は賃金の伸びが鈍化したためで、確報値では従業員1人あたりの現金給与総額は前年同月比0.7%アップの平均27万3873円であり、速報値と比べて0.2ポイントマイナスとなった。

 所定内給与は前年同月比0.4%アップの24万2844円で、速報値と比べて0.2ポイントマイナス。所定外給与は前年同月比1.7%ダウンの2万221円で、速報値よりも6ポイントプラス。所定内給与と所定外給与を合わせた「決まって支給する給与」は前年同月比0.4%アップの26万3065円で、速報値よりも0.1ポイントマイナスとなった。そのほか、ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は前年同月比10.9%アップの1万808円で、速報値よりも4.0ポイントマイナスとなった。

 常用雇用者数は4756万9000人で、速報値では4756万8000人であった。そのうち一般労働者は前年同月比1.3%アップの3333万9000人で、速報値よりも0.5ポイントマイナスとなった。パートタイム労働者は前年同月比3.8%アップの1423万人で、速報値よりも1.2ポイントプラスとなった。

 毎月勤労統計調査は事務所規模5人以上が対象で、実質賃金は名目の賃金指数を消費者物価指数(CPI)で割って算出する。前年同月を上回っていれば、物価上昇を超えるペースで収入が増加していることを表している。(編集担当:滝川幸平)