スマートフォン(多機能携帯電話)の特許をめぐって争い続けていた京セラ<6971>と米マイクロソフト(MS)だが、両社は日本時間の3日、和解したとの発表を行った。締結は6月末付で、これにより両社の特許侵害訴訟は和解し、マイクロソフトが近く訴えを取り下げる。また両社は京セラのネットワーク関連技術をマイクロソフトへ提供するなど、相互の技術を活用できる範囲を拡大していくとの内容で合意。ただし、和解と提携拡大に関する具体的な内容については明らかにされていない。
2015年3月にマイクロソフトは、京セラのスマートフォン「デュラフォース」、「ハイドロ」、「ブリガディア」などの一部製品に対して自社の電源管理やテキストメッセージといった技術に関わる特許を侵害しているとして、同社を提訴していた。またマイクロソフトはかつて、アンドロイドを使用する韓国サムスン電子も訴え和解した経緯がある。しかし日本時間の3日、両社は同訴訟での和解を発表。マイクロソフトは近く訴えを取り下げる予定だ。
そしてマイクロソフトと京セラは今後、特許のクロスライセンス契約を通じて両社が製品に利用できる技術範囲を拡大させていくとしている。このほかの契約内容は機密情報としている。
こうしてマイクロソフトと和解した京セラだが、今回の件を発表するに際して同社は、「この新たな契約により、両社は特許のクロスライセンスを通して、互いの技術をそれぞれ関連する製品に幅広く利用することができるようになります」とコメントするとともに、「これによって、両社はパートナーシップの強化に加え、本年に入って、米国連邦地方裁判所で係争中の特許侵害訴訟を終結します」としている。
京セラは一時期、「Windows Phone」へ参入するのではないかとも噂されていたが、3月にマイクロソフトに訴えられた頃より、そうした噂を耳にしなくなった。しかし、今回和解するとともに、提携する範囲を拡大していくということから、今後の京セラの商品開発にマイクロソフトがどのように関わってくるのかその動向の注目がなされている。(編集担当:滝川幸平)