14年の食品業界の他社牽制力トップは味の素

2015年05月15日 08:27

 株式会社パテント・リザルトは、独自に分類した食品業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめた。集計の結果、2014年に最も引用された企業は、味の素の349件、次いでキリンホールディングスの298件、日本たばこ産業の192件となった。

 食品業界の他社牽制力ランキング2014は、1位が味の素で349件、2位がキリンホールディングスの298件、3位が日本たばこ産業の192件となった。以下、雪印メグミルク186の件、サントリーホールディングスの178件、明治の172件、アサヒグループホールディングスの163件、森永乳業の140件、日清製粉グループ本社の138件、太陽化学の131件となった。
      
 2014年に他社特許への拒絶理由として引用された、味の素の349件の特許を分野別にみると、食料品や化粧料、遺伝子工学のほか、回路基板の絶縁層形成のための樹脂組成物などが多くなっている。また、2014年に味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は花王、次いで三菱化学となっている。

 2位キリンホールディングスの最も引用された特許は、キリンビール、松谷化学工業、三菱商事の3社の保有となっている「低カロリービール風味アルコール飲料」に関する特許(特許第4908390号)」および、協和発酵キリンの「免疫機能分子の活性を調節する方法(特許第4368530号)」で、前者はサッポロビールの特許5件、後者は中外製薬や未来創薬研究所、Genentech(米)など計5件の審査過程において拒絶理由としてそれぞれ引用されている。

 3位日本たばこ産業の引用された件数の多い特許には、「抗腫瘍剤として有用なピリミジン化合物」に関する特許(特許第4163738号)や、「新規酵母及び酵母エキス(特許第4638591号)」が挙げられ、前者はGlaxoSmithKlineの5件、後者はアサヒグループホールディングスの2件のほか、味の素、Angel Yeast(中国)の計4件の審査過程において拒絶理由としてそれぞれ引用されている。

 2014年に、日本たばこ産業の特許によって影響を受けた件数が多い企業のうち、Philip Morris Productsなどの、たばこ関連メーカー以外では、GlaxoSmithKline、ヤンマーのほか、アサヒグループホールディングス、富士電機などが挙げられる。(編集担当:慶尾六郎)