人工知能(AI)、ロボット技術、水素社会の3つの分野における有望なベンチャー企業などに投資を行うために、トヨタ自動車<7203>、三井住友銀行、スパークス・グループの3社は22日、共同で投資ファンドを設立するとの発表を行った。投資ファンドの設立は今年の秋を予定しており、ファンドの規模、その他の出資者・投資対象などの詳細はトヨタ自動車、三井住友銀行、スパークス・グループの3社で今後検討する。自動運転につながるAI技術や、ロボット技術、水素エネルギー開発などに関連したベンチャー企業が投資対象となり、有望なベンチャー企業を資金面で支援することで、技術革新や産業育成を促していくとしている。
3社によれば、投資ファンドは「未来社会を開拓する技術開発を手掛ける企業・プロジェクト」を対象に、機動的に資金投入を行っていくとしている。具体的な技術としては、「知能化技術」、「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」の3つを想定している。この投資ファンドによりトヨタ自動車は、新技術や市場動向などの広範囲の情報をタイムリーに入手し、事業戦略に活用するとともに、革新技術を有する企業の成長・事業化を支援していくとしている。また三井住友銀行は、社会的意義の高いファンドを通じて、将来の有望企業の発掘と育成に努めていきたいとしている。そしてスパークス・グループは、投資会社として未来を創造する新領域の開拓を目指すとしている。
投資ファンドの運営は日本株投資に実績があるスパークス・グループが行い、トヨタ自動車と三井住友銀行が出資する。
人工知能などの情報技術やロボット技術などの分野については、自動運転車の開発・実現を目指す米グーグルがベンチャー企業を買収するなど、活発な動きをみせている。そうした状況のなか、トヨタ自動車にとって今回の投資ファンド設立には、自動車分野に限らない最新技術を資金面から支援することで、将来的には自社の事業との関連性を高めていきたいという狙いもある。(編集担当:滝川幸平)