日本政府観光局によると上半期の訪日外客数は、前年比46.0%増の914万人となり、過去最高を記録した。観光庁によれば、推計で7月15日には1000万人を超えた。
訪日観光客の増加が止まらない。46%増という数字は、例えば企業の売り上げなどでいえば驚異的なことだろう。その内訳を見て行くとアジア圏からの観光客の増加が目を見張る。台湾からは29%増、韓国からは43%増、香港からは64%増、そして中国からは実に倍増しているのだ。これまで過去最高であった2014年上半期の訪日外客数 626万人を288万人余り上回った。因に、上半期の訪日外客数が過去最高を記録したのは、韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの19の国と地域である。
また6月単月で見ると前年比で52%増の160万人で、6月としては過去最高を記録した。これは、夏休みシーズンの開始と継続的な訪日旅行プロモーションの展開に加え、かねてからの円安傾向、航空路線の拡大、クルーズ船の大幅な寄港増加、また近年の査証免除や要件緩和、昨年10月からの消費税免税制度の拡充などが増加要因と日本政府観光局は分析している。それらに加えて、観光案内所の多言語化や公衆無線LANの充実などのインフラの整備が進んできたことも大きいのではないだろうか。
それから外国人観光客の訪問先の多様化も大きな要因である。かつて日本観光といえば、東京、大阪、京都、富士山、箱根などのいわゆる「ゴールデンルート」一辺倒であり、その他のエリアが脚光を浴びることは少なかった。それが近年はアジア地域を中心として、日本を訪れるリピーターが増加してきた影響で、訪問先の選択肢も増えてきた。
例えば、三重県と旅行サイトの「トリップアドバイザー」は連携して、外国人旅行者に対する三重県の認知度や旅行満足度向上を目的とした「三重県×トリップアドバイザー 外国人おもてなしプロジェクト」を実施するし、このような取り組みは他の自治体でも始まっている。
ともあれ、2020年のオリンピックに向けて外国人旅行客が増えることは、経済的効果だけではなく、いたるところで国際交流が行われて国際理解が進むことになるので、楽しみである。(編集担当:久保田雄城)