かつてのポルシェは実に気を使う神経質なクルマだった。しかし今や米国で初期品質評価の首位に立つほどクオリティが上がっている。ポルシェが3年連続で、米国の「初期品質調査」の総合評価でトップにランキングされた。
かつてのポルシェはオイル漏れが日常茶飯事だったし、実に気を使う神経質なクルマだった。しかし今や米国で初期品質評価の首位に立つほどクオリティが上がっている。
ポルシェが3年連続で、米国の市場調査会社であるJ.D.パワーが実施した「初期品質調査」の総合評価でトップにランキングされた。
911は、4年連続で1位を獲得し、「中型プレミアムスポーツカー」セグメントで最も高い顧客満足度を得たモデルと選定された。また、ボクスターも「コンパクトプレミアム・スポーティカー」セグメントにおいて1位獲得のハットトリックを達成している。さらに昨年と同じく、これにミッドシップクーペのケイマンが続いている。
マカンは、市場投入のタイミングにより昨年の調査の対象には含まれなかったが、今回初めてのエントリーでいきなり「最優秀初期品質コンパクトプレミアムSUV」賞を受賞している。カイエンとパナメーラの2台はそれぞれ「中型プレミアムSUV」と「大型プレミアムカー」のセグメントで3位に入っている。その結果、初めて5つのポルシェ モデルがそれぞれのセグメントでトップ3にランキングされた。
1990年代末に筆者はポルシェ911を所有していた。そしてインターネットで知り合った、911オーナーたちとよくツーリングに出かけたものだ。そうすると必ずといっていいほど、その内の一台はトラブルに見舞われた。でも、それを誰も苦とは思わなかった。何故なら、ポルシェに限らずスポーツカーが壊れるのは当然だったのだから。だから、時に泊まりがけで温泉宿にいくと、愛車のトラブル自慢に花が咲くといったようなことも多かった。
そのスポーツカーの代表的なメーカーであるポルシェが今や、米国で最も信頼できるブランドのなったことに驚きを覚えてしまう。もっとも、今やポルシェはSUVも有するので、一概にスポーツカーとは言い切れないのだが。
因みに、ポルシェに続くのは、起亜、ジャガー、ヒュンダイ、日産<7201>のブランドのインフィニティだ。起亜は、調査開始以降初めて、ノンプレミアム・ブランドにおいてトップに立った。
こうしたことからもわかるように、韓国系ブランドが他国を過去最大の差で引き離し、圧倒的な強さを証明した。それにポルシェやBMW、VW、アウディ、フィアットなどの欧州系ブランドが続いて、調査開始以来、初めて日系ブランドを上回る結果となった。
ともあれ、首位はポルシェ。スポーツカーは壊れやすいというのは昔話であることだけは確かなようである。(編集担当:久保田雄城)