安保法案に関して「法的安定性は関係ない」などの発言をした礒崎陽輔総理補佐官に対する参考人質疑が3日の参院安保特別委員会で行われ、野党を代表し、民主党の福山哲郎議員が、この問題で総理から辞任などの話はあったかと質した。
礒崎補佐官は「総理から連絡があった時に、私の発言で大変迷惑をおかけしましたと申し上げたところ、総理からは、誤解を生むような発言をすべきでない。注意するようにとお叱りを受けた」と述べ「進退についての言及はありませんでした」と安倍総理には最初から注意に処す考えしかないことが分かった。
福山議員は「(法的安定性という)問題の重要さに、補佐官も総理も何も感じていなかったということだ」と批判。
また「憲法解釈の変更が違憲という話はきいたことがない」と雑誌で補佐官が語っていたことについて、その客観的根拠を質された礒崎補佐官は「取材があったのは4月上旬だったが、いずれにしても、わたしの感覚を言ったもので、きちんとした根拠もなく発言したことは軽率だった。お詫び申し上げる」とした。
さらに、2013年11月、報道番組でキャスターが特定秘密保護法を廃案にしなければならないと明言したとし、放送法に規定する中立義務違反の発言だとツイッターで発信していることを指摘されたうえで「ここ数カ月、安保法案は廃案にすべきとのコメンテーターやキャスターが増えている。当時と変わらず、放送法違反との考えか、政府高官がそうした発言をすることは政治介入という意識を当時はなかったのか」と質された。
礒崎補佐官は「行政にかかわることは総理補佐官としての発言としてもっと慎重に発言すべきだった。私が具体的な内容について発言することには問題があると考えている。今後は具体的な発言はしない」と苦しい弁明が続いた。
福山議員は任命権者の安倍総理の責任とともに、今後も、礒崎補佐官の責任と辞任を求めていくとした。(編集担当:森高龍二)