富士通がICTによる温室効果ガス排出量削減の目標を3,800万t以上に拡大

2015年08月05日 08:21

 富士通グループは、2013年度から3カ年の「第7期富士通グループ環境行動計画」を策定し、目標の達成に向けて取り組み、その実績を公開した。2014年度は、「ICTの提供による温室効果ガス(GHG)排出量の削減」および「環境配慮製品の開発と提供」など、掲げている17項目のうち2項目の目標で、2015年度末の目標に相当する実績を達成したことから、今回目標値を上方修正した。また、「環境配慮データセンターの推進」においては、新たにPUE可視化ツールの構築を完了し、環境パフォーマンス向上に向けた改善活動拡大に繋げている。

 同社グループでは、ユーザーが使用するICTがどれだけGHG削減に貢献しているかを定量的に見える化し、その貢献量の拡大を図っている。2014年度は、保守業務ソリューションやクラウド型電子カルテシステムなど、GHG排出量の削減効果が大きいソリューションを新たに算定対象に加えた結果、ICTの提供によるGHG排出量の削減効果は、グローバル全体で1,397万t、2013年度からの累計は2,483万tとなった。そこで、計画策定時の目標としていた2015年度末までの累計目標値2,600万トンを、このたび3,800万t以上に上方修正した。

 また、同社グループが提供するICT製品において、3R(Reduce・Reuse・Recycle)や省資源など環境に配慮した設計を推進することは、環境負荷低減に繋がり、ユーザーにとっても小型・軽量・省スペースなどのメリットをもたらした。2014年度は、2013年度に引き続き、新規開発する製品の部品点数の削減や、部品の小型・薄型・軽量化、高密度化による製品の小型化などの取り組みを推進した。その結果、新製品の資源効率を2011年度比33.6%向上することができ、2015年度末までの目標20%をすでに達成したことから、目標を35%以上に上方修正した。
 
 そして、昨今のクラウドサービスの伸長に伴いデータセンターのエネルギー消費量が増加傾向にある中、「第7期富士通グループ環境行動計画」では、富士通の主要なデータセンターにおける環境配慮の推進を新たな目標として掲げている。2014年度は、「環境経営ダッシュボード」に富士通グループ独自のPUE可視化ツールを構築し、2015年5月より運用を開始した。これにより、各データセンターのエネルギー利用状況やPUEなどを月ごとに集計・表示できるほか、環境配慮の成熟度を複数のデータセンター間で比較でき、2015年度の環境パフォーマンス向上に向けた取り組み拡大に繋がっている。(編集担当:慶尾六郎)