NTTドコモが5G実験を拡大 インテル、パナソニックら5社と提携へ

2015年07月24日 07:27

第5世代移動通信方式(5G)とは、10Gbpsを超える通信速度、LTEの約1000倍にもおよぶ大容量化、IoTの普及に伴う端末数の増加や多様なサービスへの対応などを目指して研究が進められている次世代の移動通信方式。NTTドコモ<9437>は2020年のサービス提供を目指して、5Gの様々な周波数帯を想定した通信技術について、2014年5月以降に主要ベンダー8社(アルカテル・ルーセント、エリクソン、富士通<6702>、ファーウェイ、三菱電機<6503>、NEC<6701>、ノキア、サムスン電子)とそれぞれ合意し、実験を行ってきた。

 今回、NTTドコモは、この5Gに関する実験をさらに拡大し、新たにIntel Corporation(インテル)、Keysight Technologies, Inc.(キーサイト・テクノロジー)、パナソニック<6752>、Qualcomm Technologies, Inc.(クアルコム)、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG(ローデ・シュワルツ)の5社と5Gの実現に向けた実験や技術開発を行っていくことで合意した。

 新たに合意した5社とは、2015年度中に技術議論を開始し、段階的に実証実験や装置開発に向けた協力を実施していく予定で、実験や技術検討の結果を、5G関連の世界の研究団体や国際会議、5Gの標準化活動などで、ドコモが提唱するコンセプトの検証結果として活用するとともに、ドコモが目指す2020年のサービス提供に必要な端末開発や商用環境の実現に向けて活用する予定だ。

 この提携によりインテルは、高速・大容量・低遅延・高信頼という5Gのコンセプトについて、スマートフォンやタブレットなどの携帯電話端末の小型・低消費電力のチップセットの試作等の実験を行う。

 クアルコムは数Gbpsのピークデータレートを伴うモバイルブロードバンドの拡張を提供可能な小型・低消費電力の5Gデバイス実装の実現性を検討する実験を視野に入れた協力を行う。

 キーサイト・テクノロジーは、5Gでの利用が想定されている、高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化される基地局と端末の通信性能を測定する技術の検討を行う。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析、Massive MIMOのアンテナ性能の測定技術の実験を行う。

 ローデ・シュワルツは、5Gでの利用が想定されている高い周波数帯を広い帯域幅で使用した通信において、商用化されるMassive MIMO等の基地局と端末のアンテナ性能、基地局の通信の性能評価技術の検討を行う。また、その状況下における電波特性の測定と解析、信号波形の生成と解析を行う。

 パナソニックは、高い周波数帯や無線LANでの周波数帯など複数の周波数を組み合わせて効率的に通信を行うシステム制御技術や、5Gの通信技術に先進画像応用技術等を組み合わせたシステムソリューションの実験を行う。(編集担当:慶尾六郎)