7月の企業物価、2.9%下落。下落傾向が浮き彫りに

2015年08月17日 07:06

 日本銀行が12日、7月の国内企業物価指数(速報値、2010年=100)を発表。それによれば、14年4月に実施された消費税増税の影響を除く指数は前年同月比2.9%下落の100.6であり、これで9ヶ月連続で下落となったことがわかった。原油安が影響したものとみられ、下落幅は前月6月よりも拡大し、09年12月の前年同月比3.7%ダウン以来の水準となった。また前月比では0.2%ダウンと2ヶ月連続で下落、夏季電力料金調整の適用により押し上げられた影響を除くと、前月比0.4%ダウンという結果であった。消費税増税の影響を含む歯数は前年同月比3.0%下落の103.4だった。日本銀行は今回の結果に関して、原油価格は下落基調にあり、商品市況を注視する必要があるとの見方を示している。

 国内企業物価指数を業種別に見てみると、全23業種のうち、11業種が上昇、12業種が下落となった。下落した業種は「石油・石炭製品」「スクラップ類」「化学製品」などで、「石油・石炭製品」は前年同月比22.8%下落、「スクラップ類」は前年同月比19.0%下落、「化学製品」は前年同月比7.2%下落という結果であった。

 輸出物価指数を見てみると、契約通貨ベースでは前年同月比4.9%下落の93.2、前月比では0.6%下落という結果。円ベースでは前年同月比5.7%上昇の114.0、前月比では1.1%下落という結果であった。輸入物価指数を見てみると、契約通貨ベースでは前年同月比18.2%下落の92.0、前月比では1.0%下落という結果。円ベースでは前年同月比7.1%下落の116.9、前月比では1.5%下落という結果となった。
 
 品目別に見てみると、全814調査品目のうち、382品目が下落という結果であり、上昇した312品目を70上回った。こうして下落品目が上昇品目を上回るのは7ヶ月連続のことで、国内企業物価指数の下落傾向が浮き彫りとなる形となった。下落した品目は「石油・石炭製品」「化学製品」「鉄鋼」などで、「石油・石炭製品」は前年同月比22.8%下落、「化学製品」は前年同月比7.2%下落、「鉄鋼」は前年同月比3.2%下落という結果であった。(編集担当:滝川幸平)