菅直人元総理は、原発について「安全基準をヨーロッパ基準にすれば、コストが高くなり、経済的にうまくいくとは思えない」と22日、ブログで発信した。
菅元総理は「福島原発事故以来、ヨーロッパの原発の安全基準は日本よりはずっと厳しい」としたうえで「航空機の突入に備えて格納容器の壁は二重にしなくてはならず、核燃料のメルトスルーに備えて溶けた核燃料を受け止めて自然に冷える部屋に導くコアキャッチャーを備えることが義務付けられている」など具体例をあげた。
また「フランスの世界的原発メーカであるアレバはそうした基準を満たした原発をフィンランドに建設中だが、建設コストが3倍近くに跳ね上がり、工事期間も予定の倍以上かかっているが、まだ完成していない。アレバの経営危機は原発のコストが上がっていることが最大の原因だ」と指摘している。
菅元総理は、ドイツが東電福島第一原発事故を受けて、脱原発に方向転換したことを評したうえで「経済的観点からもドイツのように脱原発に踏み切り、再生可能エネルギー分野の技術開発に全力を挙げることが正しい選択だ」と呼びかけている。(編集担当:森高龍二)