東電が公表拒む重要証拠資料入手を強制捜査で

2015年08月01日 17:55

 東京電力元会長ら3氏の強制起訴が検察審査会で決まり、津波対策被害への対応責任など、司法の場で問われていくことになったことについて、菅直人元総理は「東電のテレビ会議などこれまで東電が公表を拒んできた重要な証拠資料を検察役の弁護士が強制捜査により入手できる」など「強制起訴の持つ意味は大きい」と1日、発信した。

 菅元総理は「地震発生から丸一日の間の東電テレビ会議の記録は全く公開されていない。吉田所長以外の東電幹部の調書も公開されていない。地震発生から約24時間の間に1号機はメルトダウン、メルトスルー、水素爆発を起こしている。また私が東電本店に乗り込み、「撤退しないで命がけで頑張ってほしい」と話した場面も、私の後姿の画像だけが公開され、音声は公開されていない。検察役を務める弁護士グループには強制捜査権限が与えられるので、まず、徹底的な証拠集めを」と期待する。

 菅元総理は「東電自身が2008年に15.7メートルの津波を試算しながら、それに対する対策をとらなかった責任を明確にしてほしい」とし「そんな大きな津波はめったに起きないとして無視し、大きな費用が必要となる対策をとらなかったことは明らかだ」と改めて、東電の責任を提起した。(編集担当:森高龍二)