原子力規制委員会の田中俊一委員長は24日の参院予算委員会で、九州電力川内原発への火山噴火による影響や危険について、社民党の福島みずほ副党首の質問に答え「周辺の火山についてすべて調査した」とし「この原子炉運転中に影響が及ぶようなことはない」と答えた。
田中委員長は「桜島(鹿児島県)では約1万3000年前に桜島噴火が起こっており、歴史上最大の噴火だが、川内原発のあたりに積もった火山灰は約12センチ。今回は15センチまで積もると仮定し、安全機能が確保できるようにした」と説明。
田中委員長は「噴火予知はカルデラ噴火の予知の問題で、南九州全域に影響を及ぼすような噴火になる。過去に観測例がないので、正確な予測技術が確立されているわけではないが、委員会の中で設けた火山の専門家の話し合いのなかで、ある程度の変化はみられる。数万年に1回の火山噴火なので、かなり前から変化をきちんとモニタリングすることによって(変化が)みられるということで同意を頂いている。川内原発30年の稼働中に、こういったものはないという判断をしている。それでも何らかの予兆がみえれば、空振り覚悟で原子炉を止める判断をする」とした。
福島副代表は「鹿児島地裁の判決も予知はできないとしている。運転中には巨大噴火は起きないというのは手前勝手の都合のいい理屈ではないか。火山学者らは巨大噴火の予知はできないと言っている。危険な原発の再稼働に強く抗議する」と再稼働の撤回を求めた。(編集担当:森高龍二)