日本共産党の小池晃政策委員長は30日のNHK番組で、安保法案に対する政府与党の説明がまったくいいかげんだと批判し、米国と肩を並べて戦争する法案だと指摘した。
自民党の小野寺五典政調会長代理(前防衛大臣)が安保法案に対する国会審議で「日本人を護る議論がほとんど抜けている」と提起し「こういう案なら日本人を護れる、日本を守れるということで国会の議論はあるべきだ」と投げたのに反論したもの。
小池氏は「米国艦船に日本人が乗っていなくても存立危機事態になり得ると言い出している。統合幕僚監部の文書にも、米国艦船に日本人が乗っているなど(のケース)は一切書かれていない。書かれているのは、南スーダンのPKOに法案が成立すれば来年の2月、3月から駆けつけ警護をやるなどだ。日本を守ることとは全く関係のないものばか説明されている」とした。
小池氏は「安保法案は、日本を守る、日本を守るということを口実にしながら、アメリカと一体になって、中東やアフリカに出て行って肩を並べて戦争する法案だ。日米ガイドライン(日米防衛協力の指針)だってそうでしょ。それを具体化するのが今回の法案だ」と追及した。
小野寺氏は「相当、法案を捻じ曲げている。国会で総理がちゃんと答弁しているし、総理が代わろうが、大臣が代わろうが、政府として一貫性のあるもの」と再反論。
しかし、集団的自衛権は有するが現行憲法においては「行使できない」と歴代政府が一貫して答弁してきた内容を、憲法改正を経ず、事実上の解釈改憲をした安倍内閣と与党が「総理が代わろうと変わらない」と言っても、法制で担保されなければ説得力は皆無に等しい状況になってしまった。(編集担当:森高龍二)