老若男女にかかわらず、高い普及率をみせているスマートフォン(多機能携帯電話)だが、アメリカの調査会社IDCは25日、2015年のスマートフォンの世界出荷台数が前年比10.4%アップの14億3650万台となり、14年の実績である前年度比27.5%アップから伸び率が大きく縮小するとの予測を発表した。15年の予測についてはこれまでにも発表されていたが、世界最大の市場である中国市場が需要に伸び悩む「成熟期」に入ったことなどを要因に、昨年時点の予測である前年度比27.5%アップ、直近の予測である前年度比11.3%アップから下方修正した。
世界最大の市場である中国市場について、IDCは出荷台数を前年度比1.2%アップと予想しており、14年の前年度比19.7%アップと比べて大幅に減速するとの見方を示している。そして中国市場はこれまでと変わらずに世界最大の市場であり続けるが、今後はインドなどが世界全体の成長を下支えするのではないかとの見方も示している。そし中国の世界全体でのシェアは19年までに23%にまで低下するものとみている。
そしてこれらの見方のうち、中国の世界全体でのシェアの低下についてIDCは、米アップルに影響を与える可能性があるのではないかとしている。IDCは米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」の世界全体でのシャアは19年まで81%をキープする一方、米アップルのOS「iOS」は15.6%から14.2%にまで低下するのではないかとの予測を示している。
IDCは昨年、そして直近にも15年のスマートフォンの世界出荷台数の予測を発表しており、昨年時点では前年度比27.5%アップ、直近では前年度比11.3アップと予測していたが、上記の中国市場の需要の鈍化、そして世界全体におけるシェアの低下などを要因に、今回前年度比10.4%に下方修正した。
はたして今回のIDCのこの予測通りに推移するかどうかはまだわからないが、いずれにしても中国市場の動向が今後のスマートフォン市場の先行きを左右する存在であることは間違いなさそうだ。(編集担当:滝川幸平)