菅義偉官房長官は7日夕の記者会見で、ロシアのソコロフ運輸大臣が国後島を訪問したことについて「このところ、ロシア要人の北方領土への訪問が続いているが、政府要人の訪問は領土問題に関する我が国の立場と相容れず、日本国民の感情を逆なでするものだ」と批判した。
そのうえで、菅官房長官は「こうした訪問は日本政府として受け入れられない」とし「遺憾だ」とした。菅官房長官は「ロシア側に、我が国の立場を伝える」とした。
ロシア要人による北方領土への訪問は、8月のメドヴェージェフ首相の択捉島訪問以来、相次いでいる。
菅官房長官は相次ぐ北方領土訪問のロシア側の意図について「我が国としてコメントする立場にはない」としたうえで、岸田文雄外相の訪ロやプーチン大統領の訪日について、「日程など何も決まっていない。様々な要素を総合的に考慮しながら検討していきたい」と検討はしていく姿勢を示した。
しかし、最近の状況からは、岸田外相の訪ロもプーチン大統領の訪日も、これまで以上に調整が難しいものになりつつあることは、対日担当のモルグロフ外務次官が「日本がウクライナ危機で欧米の対ロ制裁政策に加わり、ロシアとの間で多くの対話フォーマットを中止した」などとしていることや「南クリル問題(北方領土問題)は70年前に解決している」などの発言をしている点でもうかがえそうだ。(編集担当:森高龍二)