IDC Japanは、国内ソーシャルビジネス関連市場を調査し、2014年の同市場の分析と2015年~2019年の市場予測を発表した。
IDCではソーシャルビジネス関連市場を、「コラボレーション」「CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)」「ERM(エンタープライズリソース管理)」のソフトウェア市場のうち、ソーシャルネットワーキング技術に関わる14の機能分類をテクノロジー市場として抽出した。各市場でのソーシャルネットワーキング技術利用状況を考慮し、それぞれ一部を抽出し、合算したコンペティティブ市場と定義している。
この市場分類にて、2014年の国内ソーシャルビジネス関連市場規模は、前年比32.0%増の126億9,300万円と推定した。また、IDCが行った企業ユーザーの利用動向調査では、企業内ソーシャルネットワーキングシステム活用は、「特定の部署やプロジェクトでの利用」とした回答者が多く、利用目的も「プロジェクトの進捗/リソース管理」が最も多い結果となった。
2015年の調査では、「顧客グループやコミュニティとのコラボレーション」「顧客へのサポート提供」などが2014年調査と比較して上位に位置しており、企業ユーザーのソーシャルテクノロジー活用の意識は、顧客やコミュニティとのエンゲージメントに移行していることが判明した。
IDCでは、2015年以降の同市場は、企業のワークスタイル変化によるソーシャルネットワーキング技術を多用した従業員/顧客/パートナーとのコラボレーションや、プロジェクト管理/マーケティング/人事管理/調達の各分野でのソーシャルネットワーキング技術の活用が見込まれることから、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は26.3%で成長し、2019年には407億7,100万円になると予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーの眞鍋敬氏は、「ベンダーおよびシステムインテグレーターは、顧客サービス/パートナーサポートへのソーシャルテクノロジー活用、ビジネスアプリケーションへのソーシャルテクノロジー適用開発を差異化要因として実行していくことが今後の重要な市場創造ポイントとなる」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)