ゴルフ用品の売上がふるわない。矢野経済研究所のリサーチによると、14年の国内ゴルフ用品出荷市場規模は、前年比95.5%の2510億3000万円。東日本大震災の影響を受けた11年以来、3年ぶりのマイナス成長だった。増税による消費マインドの冷え込みや、若者の「ゴルフ離れ」も一部関係しているのかもしれない。
商品カテゴリー別に「メーカー出荷金額ベース」を見ると、ウッドが前年比90.9%の430億円と大幅なマイナスに転じた。「ゴルフクラブ」全体も前年比93.2%の966億円となっており、ゴルフ用品市場全体における「ゴルフクラブ」の構成比率は13年の39.4%から、14年は38.5%と約1ポイントのマイナス。特に、ドライバーとフェアウェイウッドで構成される「ウッド」の出荷数量は、落ち込みが大きい。前年比では89.7%、金額は前年比90.9%で、震災後の12年から続いた回復軌道が一転、大幅なマイナスを余儀なくされた格好だ。
アイアンも、14年は数量ベースで前年比88.2%、金額ベースで前年比94%。数量・金額ともにマイナス成長だった。一方、パターは数量ベースで前年比88%だったものの、金額ベースでは前年比102.3%で、単価が大幅に上がったようだ。
シューズの売上もふるわない。14年は数量が前年比87.8%、金額が同90.7%と、大幅なマイナスだった。この数年間で小売市場の在庫が飽和状態に達し、メーカーは出荷の抑制を余儀なくされている。ただ、15年はダイヤル式シューズ(ダイヤルを回して、ミリ単位の締め付け調整ができるシューズ)の構成比が上がると見込まれ、商品単価は上昇する可能性がある。
一方、まだ好調なのは「ゴルフウエア」だ。14年は前年比96.8%とマイナスだったが、15年はほとんどのメーカーが前年比プラスを見込んでおり、15年は前年比103.5%とプラスに転じる公算が大きい。ただ、天候不順とそれに左右されないような魅力ある提案が不足していること、セールで売られる商品が増えていることなど、ゴルフウエア市場に対しては厳しい見方もある。
こうした結果から、矢野経済研究所では15年の国内ゴルフ用品出荷市場規模を、前年比102.7%の2577億9000万円と推測。シューズなど好調が見込まれる商品もあるが、金額ベースでは微増の見通しだ。原材料高騰で単価が上昇する可能性も大きい。(編集担当:北条かや)