国や関係地方公共団体が琵琶湖の水質を改善するため、下水道、浄化槽、農業集落排水施設、農業用の用排水施設等の排水処理施設の整備や管理その他必要な措置を講ずるよう努めることや琵琶湖水源の涵養を図るため、森林の保全整備その他必要な措置を講ずるよう努めるなどを定めた『琵琶湖の保全と再生に関する法律案』が16日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。
法律に基づき、主務大臣は琵琶湖保全と再生に関し実施すべき施策を推進するための基本方針を定め、国が責任を持って琵琶湖の環境との調和に配慮し、土地利用、産業の振興、治水利水その他自然環境の保全再生に関する分野の施策を講ずることになる。
法では「国及び関係地方公共団体は琵琶湖の水の安全を確保することが近畿圏における住民の生活及び事業活動にとって極めて重要であることに鑑み、有害物質による汚染により琵琶湖の水質に重大な影響が及ぶことを防止するために必要な措置を講ずるものとする」などの条項もある。
2013年11月19日の共産党機関紙「赤旗」が報じたところによると、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが2011年3月15日の状況を想定し放射性物質の拡散影響の予測を行ったところ、「福井県若狭湾の原発群で福島第1原発事故と同じような事故が起こった場合、隣接する滋賀県の琵琶湖の湖面のうち最大で20%程度が、飲料水基準を超える放射能で汚染される」との推定結果が出たとしており、美浜原発は琵琶湖から直線で30キロメートルだけに、この法律との関係で、若狭湾にある原発群への安全性確保はより厳格に検証されなければならないと思われる。(編集担当:森高龍二)