安倍晋三総理は25日、記者会見し、安保法制について「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。戦後70年守り続けてきた不戦の誓いをより確かなものとしていくための強固な基盤を作ることができたと考えている」と強調した。
また「世界に誇る民主主義国家の模範であるこの日本において、戦争法案といったレッテル貼りを行うことは、根拠のない不安をあおろうとするものであり、全く無責任である。そのことを改めて申し上げたい」と安保法案に強く反対した野党を批判。
「安全保障環境が厳しさを増す中、法案の成立によって、子供たちに平和な日本、安定した、繁栄した日本を引き渡していくことができると確信をしる」と述べた。
しかし、憲法違反の疑いのある集団的自衛権の行使を限定容認した部分の白紙を目指す野党への国民世論の支持や政府・与党への法案の説明不足を指摘する国民は今も多い。
安倍総理は「かつての日米安保条約改定時も、PKO法制定の時もそうだった。時を経る中において、その実態について国民の理解が広がっていった事実もある。今後、時を経る中において今回の法制の実際の意義について十分に国民的な理解は広がっていく。このように確信している」と強調した。
また安倍総理は安全保障環境の変化について「北朝鮮は日本の大部分を射程に入れる数百発の弾道ミサイルを保有し、そのミサイルに搭載可能な核兵器の開発も深刻の度を深めている」としたほか「テロの脅威は世界中に広がっている」と北朝鮮とテロを特に提起した。
そして「日本に危険が及んだとき、日米同盟が完全に機能する。そのことを世界に向かって発信していく。戦争を未然に防止し、地域の平和と安定を確固たるものとする」ためとし、安保法制が日米同盟を強固にし、機能させる、抑止力向上につながると改めて訴えた。
安保法制を争点にした国政選挙はなかったことから、今回の安保法制への審判は次期国政選挙で改めて判断材料に取り上げられる。また南スーダンPKO活動への反映にも、政府がどのように法運用を果たしていくのか、関心が集まっている。(編集担当:森高龍二)