天下りが脱原発進まない大きな原因 元総理

2015年10月13日 13:51

 菅直人元総理は12日のブログで、東京新聞が報じた東京電力福島第一原発事故後も経産省など官僚や地方自治体職員が退職後に電力会社が出資する組織に数多く天下りしていることを取り上げ「世論調査では原発の廃止に賛成する意見が国民の半数を超えているにもかかわらず、脱原発が進まない大きな原因がここにある」と問題提起した。

 菅元総理は「天下りに必要な費用は国民が負担する電力料金からねん出されている」とし、「自民党も完全に原子力ムラの一員に戻っている。原子力問題の特別委員会でも自民党議員は再稼働を急がせようとする質問のオンパレードだ。特に原発立地自治体出身の議員程そうだ」とした。

 菅元総理は、おおさか維新に対しても「関西電力は原発の比率が最も高い。大阪など関西で大きな力を持つおおさか維新も、既得権益の打破を言うなら、足元の原子力ムラの既得権益をもっと問題にしてもらいたい。安倍政権と関電に遠慮しているように見える」と求めた。

 また、菅元総理は「安倍政権になってから利害関係者ばかり集めて議論させ、国民世論を無視した方針を閣議決定している」と指摘した。

東京新聞は11日の電子版でも「14道県の警察を含むOBが2011年度以降、電力会社や関連企業、原発関連の財団や企業に天下りしていないか調べた。全ての道県で該当者がいた。本紙の調査で国家公務員では経済産業省や警察庁などから計71人の天下りが判明している。14道県で、行政と電力が深く結び付いているのが、青森、福井両県だ。天下りした人数も青森が14人、福井が9人と突出して多かった」と報じた。(編集担当:森高龍二)