関税撤廃の例外「しっかり確保した」と安倍総理

2015年10月16日 10:24

 安倍晋三総理は15日開かれたJA全国大会であいさつし、TPPの大筋合意に「米や麦、さとうきび・てんさい、牛肉・豚肉、乳製品。これら重要品目について、関税撤廃の例外しっかり確保した」と強調した。

 また、安倍総理は「これらの農産物の輸入が万一、急に増えた場合には緊急的に輸入を制限することができる新しい『セーフガード』措置を設けることも認められた。日本が交渉を積極的にリードすることで、厳しい交渉の中で国益にかなう最善の結果を得ることができた。皆様とのお約束を守ることができたと私は考えている」と語った。

 安倍総理は「農業は国の基であり、美しい田園風景を守っていくことは政治の責任。私に『ふるさとを守っておくれよ』と話されたような農業者の皆様の不安に寄り添い、農業を若い人が夢を持って自らの情熱で新たな地平を切り拓いていける、そういう分野にしていかなければならない。TPPでは多くの国で農産物にかけられていた関税がなくなる。日本の様々な食品が世界のマーケットに更に広がっていくチャンスでもある」とTPPを、守りの農業から攻めの農業に転換する契機にすることを改めて提起した。

 一方で、農業への影響の大きさを否定せず、農業振興へ「私が先頭に立ち、今後、政府全体で責任を持って、万全の対策をとりまとめ、実行していく」とも強調した。ただ、参加者からは約束を守ったとする総理に対し、厳しい意見も聞かれた。

 関税撤廃こそ守ったが、牛肉はTPP発効時に現在の38.5%の関税が27.5%に下がり、16年目以降は9%になるなど、現行と比較し影響は避けられない。(編集担当:森高龍二)