【今週の展望】日銀が「プチ緩和」でも2万円への道は開ける

2015年10月25日 20:38

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チャートは「逆三尊底」のパターン完成。ETF買入枠増額程度の「プチ緩和」でも、たった3日で奈落に落ちた夏の終わりのパラダイム・シフトは「プチ」で幕引き。

 16日時点の信用倍率は5.22で9月の6.0前後の水準から低下。裁定買い残は2.2兆円で横ばい。前々週まで40%を超えていたカラ売り比率は前週、19日の38.1%から23日の34.0%まで下がり、徐々に正常化している。需給面のデータはどちらかと言えば株価の上昇に味方している。

 23日の欧米市場は中国の利下げに反応して大幅高で、CME先物清算値は19140円と19000円台に乗せていた。為替のドル円が121円台半ばまで円安が進んでおり、26日の東京市場で日経平均は19000円に乗せてスタートすることはほぼ確実。今週の下値はその19000円前後とみる。

 そして上値は、テクニカル分析で考えるなら25日線+3σの19237円付近が限界になりそうだが、マーケット周辺に刺激材料が盛りだくさんなのでもっと上を狙えそうだ。「日米の中央銀行イベントで追加緩和期待がピークに」「業績相場の好決算に刺激される」「上海市場の変動はもう怖くない」「上がれば売りポジションの『踏み上げアクセル』が出る」「郵政3社の上場直前の一般メディアも巻き込んだお祭り騒ぎ」など刺激材料が多すぎて、まるで激辛グルメフェスタ。日銀会合で何も出ず金融政策現状維持なら19500円、何らかの政策変更があればそれが「プチ緩和」でも20000円タッチまで考えられる。8月にはたった3営業日で2万円台から17000円台まで落ちたが、上がる時も19000円台はアッと言う間に通過できるのではないか。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは日銀の金融政策変更込みで19000~20000円とみる。

 東京市場が「中国過敏症」になった原因の一つには、海外機関投資家がコンピュータに行わせる「アルゴリズム取引」の影響もある。その弊害について、あたかも人間がコンピュータの奴隷と化す「サイバーパンク映画」の世界のように語られることがある。だが、金融取引にしろ何にしろ、人間の営みで人工のマシンには代わりが務まりそうにない部分は、意外なほど小さい。コンピュータの歴史では二進法の研究者、機械式計算機の発明者として登場する17~18世紀のドイツの数学者にして哲学者、ゴッドフリート・ライプニッツはこう言っている。「我々の日常生活の行動の4分の3は『自動機械』である」(編集担当:寺尾淳)