慰安婦問題「日韓関係に影響」早期妥結目指す

2015年11月03日 09:04

 菅義偉官房長官は2日夕の記者会見で、安倍晋三総理と韓国・朴槿恵大統領との首脳会談が実現し、会談後に、安倍総理が従軍慰安婦問題について、できるだけ早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致したと語ったことが、1965年の日韓請求権協定で慰安婦問題は完全に終結しているとした日本政府の考えと整合性が取れているのか、との記者団の質問に「約1時間45分にわたり日韓首脳会談が行われた。率直で有意義な意見交換ができたと認識している。その中で、慰安婦問題については両首脳が今後も協議を継続し、日韓国交正常化50周年の年なので、これも念頭に、できるだけ早期に妥結するために協議を加速するよう指示することで一致したということだ」と語った。

 菅官房長官は「従軍慰安婦問題が日韓関係に影響を与えているということは現実じゃないですか」と慰安婦問題での財産および請求権に関する問題は1965年の日韓請求権協定で法的に解決済みという立場に変わりはないが、「慰安婦問題が日韓関係に影響を与えているという認識もある。こうした状況を早期に解決すべく、協議を継続・加速化するということで一致したという事」と説明した。

 菅官房長官はいずれにしても両首脳が意思疎通を図ることによって、両国関係が少しずつ前進していくとし「良いスタートを切ったと思っている」との受け止めを示した。

 菅官房長官は、日韓首脳会談前の記者会見では「韓国とは近いが故の難しい問題があるが、経済・安全保障など幅広く議論すべき課題が数多くある」とし、首脳同士の会談が実現した意義を強調。「安倍総理と朴槿恵大統領の会談は初めてになるが、日韓国交正常化50周年の節目になるので有意義な会談になることを期待したい」としていた。(編集担当:森高龍二)