シャープ、モバイル機器に搭載可能な超小型放射線センサモジュール発売

2012年06月07日 11:00

 シャープが、スマートフォンなどのモバイル機器に搭載が可能な、業界最小サイズの放射線センサモジュール<QM1H0M005x>を開発、セットメーカーに販売すると発表。6月末からサンプル出荷、8月から量産を開始する。

 同モジュールは、空中の放射線(ガンマ線)を電流に変換するフォトダイオードと、高周波チューナーなど長年培ったアナログ回路技術を駆使して新開発した専用ICにより構成。専用ICには、フォトダイオードから出力される微弱な電流を検出して効率よく増幅する低雑音アンプや、振動や衝撃などの外来ノイズを独自のアルゴリズムによって除去する回路を搭載しており、汎用の部品で構成した場合に比べて約55%もの小型化を実現しているという。さらに、通常動作時で7.5mWという業界最小の消費電力も実現。放射線の測定機能を搭載するモバイル機器の開発に貢献するものとなっている。

 昨年の震災以降、急激に需要が高まった放射線測定機器。ソフトバンクの2012夏モデルに、放射線測定機能を搭載した世界初のスマートフォンがラインナップするなど、いつでも、どこでも、誰でも、簡単に測定をすることが可能となりつつある。利用する場面や必要な地域は限定されるかもしれないが、備えあれば憂いなしである。今回シャープが発表した製品の普及が進めば、放射線測定機能の搭載が標準となる時代が来るのかもしれない。