三菱電機がその技術力を活かした予防安全コンセプト「EMIRAI3xAUTO」を開発

2015年11月11日 08:18

Mitsubishi_TMS

三菱電機が技術力を結集した予防安全コンセプトカー「EMIRAI3xAUTO」、行動な自動運転を2020年以降に完成させる

 三菱電機の自動車機器部門は、メガサプライヤーとして自動運転に向けた、予防安全コンセプトカー「EMIRAI3xAUTO (イーミライスリーエックスオート) 」を展示。さまざまな周辺監視デバイスや車外情報活用デバイス、車両制御デバイスやHMIデバイスを満載してアピールしていた。

 最も基本となるセンサー部をつかさどる周辺監視デバイスは、周辺監視カメラ、前方監視カメラ、赤外線カメラ、ロングレンジ超音波センサー、超音波センサーECU、ミリ派レーダーと全方位のラインアップが自慢だ。すべて組み合わせて完璧な運転支援システムを構成することも可能だが、自動ブレーキだけに特化した簡便な装置を構成することも可能となりそうだ。

 それらのセンサーが捉えた情報をECUが解析した後に「車両制御デバイス」が行動を起こすわけだが、三菱らしいPHEV駆動モーター設計やそのコントロールに使われるインバーターに同社の特徴が表れていた。なかでも、インバーターの設計にはこだわりがあるようで、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車(FCV)など電動化車両の三相モーター駆動用「DC-AC変換ユニット」として定評がある。特に明記されていないが、同社独自開発のSiCパワー半導体が使われ、小型・軽量パッケージングを達成しているようだ。

 コンセプトカーで実現した運転支援は、周辺監視・駐車区画認識・車両誘導技術により、駐車に関する動作をすべて自動化し、狭い場所でもリモコンによる快適で安全な自動駐車を実現するリモコン式自動駐車。

 ミリ波レーダーの物体識別と高度なセンサー統合技術による高精度な夜間歩行者検知や遠赤外線カメラ技術による遠距離からの夜間動物検知により、安全性が高い衝突回避を実現する夜間対応自動ブレーキシステム。

 維持制御技術と全車速対応車間維持制御技術により、車線の白線を安定的に検知し白線が見えにくい渋滞時には前車に自動で追従し、運転者に違和感のない安定した運転を実現する自動車線維持装置。

 路車・車対車連携通信を活用した合流支援技術により、道路状況や他車状況に応じてドライバーへの情報通知や自動減速を行ない、本線への安全な合流を支援する路車・車対車連携通信を活用した合流支援システムとなる。

 加えて、冒頭で紹介した高品位センシングによる車両周辺把握と行動予測・リスクマップをあわせた人工知能技術で、車両周辺環境の把握と最適な判断で安全な自動運転を実現。準天頂衛星活用による高精度測位と高精細な3次元地図による高精度な位置把握、路車・車対車連携通信技術による車外の周辺情報活用により、安全な自動運転を実現する。同時に高精度車両運動制御技術により、スムーズで安定した快適な自動運転を達成させるとしている。 三菱電機によれば、すべての機能は2020年以降に達成できるとしている。(編集担当:吉田恒)