違憲状態解消へ 選挙制度改革議論の開始求める

2015年11月25日 19:32

 社会民主党の吉川元幹事長代行は昨年12月の衆院選挙の一票の格差をめぐる裁判で、最高裁が25日、「違憲状態」との判決を出したことを受け、「実施された3度の衆院選がいずれも『違憲状態』とされたことになる」とし「立法府は真摯に厳しく受け止め、早急に違憲状態を解消するため、選挙制度の抜本改革に向けた議論を開始しなければならない」との談話を発表した。また「違憲状態の立法府が憲法改悪に突き進むことも断じて許されない」と憲法改正を目指す安倍政権・自民党をけん制した。

 吉川幹事長代行は「0増5減による改正公職選挙法は一時しのぎのもので、社民党は反対した。この緊急是正法は得票率と議席率の乖離、死票の発生など、現行小選挙区制の弊害は何ら是正されていないもので、昨年の衆院選においても投票価値の不平等は温存されたままであった」と改めて問題視した。

 吉川幹事長代行は「社民党は国民主権を規定する憲法理念に従い、現行小選挙区制の有する問題を抜本的に見直し、多様な民意が議席数に反映される、比例代表を中心とした正当な選挙制度への改革を主張していく」としている。

 この日の最高裁は判決で最大2.13倍だった一票の格差は投票の価値の平等原則に反しており、違憲状態とした。一方、選挙無効の訴えについては棄却した。(編集担当:森高龍二)