日本百貨店協会が公表した10月の売上高は4974億円あまりで、前年同月比4.2%のプラスとなった。売上高が前年を上回るのは、7ヶ月連続。昨年10月は2度も台風が上陸したため客足が伸び悩んだが、今年は全国的に好天に恵まれた。土曜日も1日増え、売上シェアの高い東京では+7.4%、大阪では+6.9%と大きく伸びた。地方店は明暗がわかれたが、地方全体でも何とか前年比+1.2%を回復している。
地区別にみると、もっとも伸び率が高かったのは京都で、前年同月比8.2%。インバウンドの影響もあるかもしれない。次いで東京(+7.4%)、大阪(+6.9%)、福岡(+6.1%)といった大都市が続くが、福岡以外の店舗をあわせた九州(+7.4%)も好調だった。他にも都市部の神戸、名古屋がともに+3.3%など健闘した。地方百貨店は、北海道が-7.2%、関東が-0.1%と落ち込んだ以外は、四国でも+3.2%など全体として好調が目立つ。地方全体では、前年同月比が5ヶ月ぶりにプラスとなった。
商品別では、主要5品目(衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品、食料品)すべてが5ヶ月ぶりに前年を上回った。売上高全体の約3割を占める主力の衣料品は、月前半の気温低下で秋冬物が動き+1.5%増。ハンドバッグ・鞄、ベルト、財布など身のまわり品(+5.5%)、化粧品や美術・宝飾・貴金属などを含む雑貨(+15.5%)も7か月連続で好調を維持している。
細分類では免税効果が大きい化粧品で+22.5%、高級時計などの美術・宝飾・貴金属(+16.2%)が引き続き高い伸びをキープし、7ヶ月連続で2桁増を記録した。衣料品関連では、紳士服(+2.8%)、婦人服(+0.5%)、子供服(+3.9%)、その他衣料品(+5%)がそろって前年並みを確保。家具(+7.6%)、菓子(+2.7%)、惣菜(+1.9%)、その他食料品(+2.1%)も堅調に推移した。
中国の大型連休である国慶節の影響も大きかったようだ。訪日外国人動向は、昨年10月の免税制度改正から一巡したが、国慶節による訪日外国人の増加を活かす形で、購買客数は94 .1%増。売上高も96%増と増勢が続き、実に33か月連続のプラスとなった。今年全体でも前年を上回るのは確実とみられる。(編集担当:北条かや)