社会民主党の吉川元幹事長代行は与党の平成28年度税制改正大綱について「消費税の税率を8%から10%へ増税する一方で、法人実効税率のさらなる引下げを前倒しで決定するところに、くらし破壊・大企業優遇税制の本質がうかがえる」と問題視した。
また、軽減税率について「低所得者の痛税感の緩和にはほど遠い。選挙対策にほかならない」とし「食料品等の税が下がるわけでなく、8%への据え置き決定にすぎない。対象品目の線引きも複雑で、事業者の負担も大きく、混乱が予想される」としている。
吉川幹事長代行は「低所得者の逆進性対策のためといっても、実際は高所得者の恩恵が大きい。財源として低所得者の負担軽減に資する医療と介護の総合合算制度を取りやめるのは筋が通らない。その他の財源の確保が先送りされているのも無責任。逆進性対策としては所得税の累進性強化、低所得者層への給付の拡充など、所得再分配機能の強化をはかるべき」としている。
また大規模農業を目指す農家への農地集約を促すことを狙った耕作放棄地の固定資産税の8割引き上げについて「条件不利地域や中山間地の実情を無視した、きわめて乱暴なやり方で、政府が意図するような効果が生じるのかどうかも不透明。農家の追い出しにつながりかねない」と懸念した。(編集担当:森高龍二)