邦人救出訓練「行った事実ない」と否定 防衛相

2016年01月06日 08:53

 中谷元防衛大臣は安保法成立を受け、海外でテロに巻き込まれた邦人救出の訓練を陸上自衛隊が極秘に昨年行っていたとする報道に「実施した事実はない」と否定した。

 中谷防衛大臣は「12月の10日から16日の間に、事前訓練を実施したが、これはあくまでも在外邦人の輸送に係る訓練で、在外邦人の救出に係る訓練を実施した事実はありません」と否定し「11月に東富士演習場で同種の訓練を実施した事実もありません」と訓練は邦人輸送の訓練で救出訓練ではないとした。

 この中で、中谷防衛大臣は「平和安全法制の成立に伴い、法律に定められた様々な任務を適切に遂行するため、現在、省内で検討を実施しているが、法施行に向けての準備・検討を行っているところであり、具体的な訓練の開始時期なども含めて具体的な方針は決まっていない。与えられた任務を適切に遂行できるように所要の準備・検討を行っている」とした。

 記者団が駆け付け警護も含めて新安保法制に基づく訓練は現時点では行っていないということかとの問いにも「昨年実施した訓練は、あくまでも在外邦人の輸送に係る訓練」と説明した。

 この件では、陸自の中央即応集団が任務遂行型武器使用として小銃で警告射撃を行い武器使用に至るまでの行動検証や治安悪化の国にある日本大使館が群衆に包囲されている想定で小銃などを所持した隊員が大使館内に強行侵入し救出する訓練を極秘に行っていたとの報道があった。記者団の事実確認の問いに答えた。(編集担当:森高龍二)