慰安婦問題で「日韓合意を評価する」と岡田代表

2016年01月07日 08:30

 民主党の岡田克也代表は6日の衆院本会議で、昨年末に慰安婦問題を巡る日韓外相会談での合意、日韓首脳電話会談での確認について「合意に至ったことを率直に評価します」と評した。

 そのうえで、岡田代表は「日韓両外相共同記者発表には安倍内閣総理大臣は日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明するとありますが、安倍総理は一度もご自身では語っていません。是非、安倍総理自らの言葉として、この場で日韓両国民に対し、はっきりと述べることを求めます」とその合意についての一つを実行するよう求めた。

 安倍晋三総理は「(日韓外相会談での合意後の)朴槿恵大統領との電話会談で慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した。今回の合意は、子や孫に謝罪を続けさせてはならない。その決意を実行するために決断した。日韓両国が力を合わせて日韓新時代を切り開いていきたいと考えている」と答えた。

 日韓外相会談での合意は安倍総理がお詫びと反省の気持ちを改めて表明したうえで、元慰安婦の支援のための財団を韓国政府が設立し、日本政府がこれに約10億円の資金を一括拠出することで、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認するという内容。

 日韓外相共同記者会見で、岸田文雄外相は「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」と軍関与を認めたうえで「かかる観点から日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は日本国の総理として改めて慰安婦として数多の苦痛を経験され心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と表明した。

 また「日本政府の予算で全ての元慰安婦の方々の心の傷をいやす措置を講じる」とし「韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、日本政府の予算で資金を一括拠出して日韓両政府が協力して全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷をいやすための事業を行うこととする」とほぼ韓国の求めに応じる対応を示した。

 一方、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は「日本政府の表明と今回の発表に至るまでの取り組みを評価し、日本政府が表明した措置が着実に実施される前提で、今回の発表により、日本政府と共にこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と評するとともに「韓国政府は日本政府の実施する措置に協力する」と表明。

 在日韓国日本大使館前の少女像についても「公館の安寧・威厳の維持の観点から日本政府が懸念していることを認知している。韓国政府としても可能な対応方向について関連団体と協議を行うなどし、適切に解決されるよう努力する」とした。(編集担当:森高龍二)