米デトロイトショーで新型Q60(日産スカイライン・クーペ)が世界初公開。ニュースは新型エンジン搭載

2016年01月14日 08:43

Infinity Q60

米国デトロイトショーでワールドプレミアとなった「インフィニティQ60」(日本名:スカイライン・クーペ)には、日産の新開発V6直噴ターボ(最高出力405ps)が搭載される

 日産自動車株が、1月12日から米国デトロイトで開催された2016年北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、インフィニティブランドのスポーツクーペ「Q60」の市販モデルを世界初公開した。「Q60」の日本名は言わずと知れた「スカイライン・クーペ」だ。新型Q60は、走行性能を追求した設計とデザインとなり、大胆なスタイリングと爽快なドライビングを実現したとしている。

 大胆なエクステリアデザインは、昨年開催された2015年北米国際自動車ショーにて公開した「Q60コンセプト」の特徴的なエッジの効いたボディラインを維持しながら、表情豊かな張り詰めた筋肉質プロポーションとすることにより、優雅でありながら力強さも持ち合わせている。

 新型Q60の最大のニュースは、先般報告したように新開発V型6気筒エンジン搭載にある。従来のVQ型V6エンジンを継承するVR型V6直噴ターボエンジンに全面的に改められる。

 この革新的で高効率な新型エンジン搭載により、「Q60」は力強い走行性能を得るわけだが、新型VR型パワートレインファミリーの高出力3リッターV6ツインターボエンジンは、日産のV型6気筒エンジンの伝統と歴史を継承。新しいVR型V6エンジンには304ps(300hp)/6400rpmと405ps(400hp)/6400rpmの2種類が用意され、トルクはそれぞれ400Nm(40.8kg.m)/1600-5200rpm、475Nm(48.5kg.m)/1600-5200rpmというアウトプットを持つ。そのなかで、後者はCセグメントのスポーツクーペにおいてトップレベルの高効率を誇るという。エンジンの生産は以前報告したとおり、日産いわき工場で行なう。

 インフィニティQ60は、そのブランドの特徴でもある、乗心地の良さと優れたハンドリングの最適なバランスを実現。また、ダイナミック・デジタル・サスペンション(DDS)を全車に標準搭載し、機敏なハンドリングと快適性を提供するとも。

 インフィニティの第2世代ダイレクト・アダプティブ・ステアリング(DAS)は、ドライブ・モード・セレクターを使用する事でドライバーはステアリングの反応を好みに合わせて調整できる。

 インフィニティの2015年グローバル販売台数は過去最高となる21万5250台(前年同期比116%)となり、きわめて高い伸びを示している。

 日産の新しいミドルサイズエンジンがV型6気筒VR型に決定し「Q60」に搭載されたことで、今後はフェアレディZやシーマ、エルグランド、はてはGT-Rまでが、モデルチェンジを機に、この新エンジンに換装されることになろう。

 ここ数年「日産は日本のマーケットを軽視している」という声を、日産ファンや業界関係者が発していた。が、ミドルクラス新エンジン搭載車が米国のモーターショーで世界初公開され、「日産が、またしても日本を捨てた」という声が挙がりそうな予感も。(編集担当:吉田恒)