2015年のアメリカの新車販売は、景気回復傾向が色濃く現れる形となった。5日の調査会社オートデータの発表によれば、15年のアメリカの新車販売台数は前年比5.7%増の1747万台499台であり、6年連続のプラス。ITバブルに沸いた00年の約1740万台以来、15年ぶりに過去最高を更新した。景気回復、原油安、低金利などが大きな要因となった。
アメリカ市場における新車販売台数は、リーマン・ショックが発生した後の09年には約1042万台にまで低迷したものの、徐々に復調し、去年は15年ぶりに過去最高を更新するに至った。主要メーカーの販売台数を見てみると、米ゼネラル・モーターズ(GM)は同5.0%増の308万2066台で1位。2位は米フォード・モーターで同5.3%増の260万3082台、3位は日本のトヨタ自動車<7203>で、同5.3%増の249万9313台という結果であった。その他の日本メーカーの結果は、ホンダ<7262>が同3.0%の158万6551台で5位、日産自動車<7201>が同7.1%増の148万4918台で6位、スバルが同13.4%増の58万2675台で9位、マツダ<7261>が同4.4%増の31万9184台で13位、三菱自動車<7211>が同22.8%増の9万5342台で15位だった。
そして排ガス規制不正問題により業績を落とした独フォルクスワーゲンは、同4.8%減の34万9400台で11位という結果であった。フォルクスワーゲンはこれで、3年連続で前年を下回っている。排ガス規制不正問題によりドライバーからの信頼を失ったことが影響していることは言うまでもないが、さらに不正が指摘された一部のディーゼル車の販売が中止となったことも販売台数低迷の大きな要因となっている。フォルクスワーゲンは値引き販売により低迷を食い止めようとしたが、結果的にはアメリカ市場における落ち込みを補うことはできなかった。フォルクスワーゲンの結果を車種別に見てみると、小型車の「ビートル」が同22.3%減、中型車の「パサート」が同19.1%減という結果。しかし、乗用車の「ゴルフ」、スポーツタイプ多目的車(SUV)の「ティグアン」は堅調に推移した。(編集担当:滝川幸平)