安倍首相が新年の会見で「デフレ脱却まであと一息」と威勢のいい発言をした3日後の7日、ユニクロを展開するファーストリテイリングは決算会見を開き、9‐11月に続き、12月も粗利益率が計画を下回ったことを明らかにした。9‐11月は売上収益が前年同期比 8.5%増の5,203億円、営業利益は16.9%減の759億円という増収減益だった。
同社では、連結業績予想の売上を1兆9,000億円から1兆8,000億円(前年比7.0%増)に、営業利益を2,000億円から1,800億円(同9.4%増)へとそれぞれ下方修正した。
国内のユニクロ事業については、9、10 月は、秋冬商品の出足が好調だったものの、11 月に暖冬の影響で冬物の定番商品で苦戦し、値引き販売を強化したことから売上収益は2,309億円(同0.7%減)、営業利益は448億円(同12.4%減)と、計画を下回る減収減益となった。また、12月の既存店売上高でも、前年比11.9%減と2 ケタのマイナスになるなど苦戦している。一方、海外ユニクロ事業では、店舗数が国内を上回る864まで増えたが、売上収益は 1,969億円(同17.2%増)、営業利益は208 億円(同 14.2%減)と、計画を下回り増収減益となった。
購入しやすい価格設定と独自の商品開発で長くデフレ下の日本ファッションの牽引車役を務めてきたユニクロ。今回の発表では、今後の見通しとして「国内および海外ユニクロ事業の第1四半期の業績の下振れ、および第2四半期における粗利益率の悪化を想定している」とコメントしている。少々暗い2016年の船出となってしまった。(編集担当:城西泰)