【今週の展望】陰の極、寒々しい鉛色の冬空に新しい春を待つ

2016年01月17日 20:33

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ほんのささやかでも感じてみたい、春の気配。そのきっかけは、ECB理事会か?原油先物価格や海外の経済指標の好転か?中国人民銀行や中国政府の政策か?

 今週、1月第4週(18~22日)は5日間の取引。世界の主要株式市場の休場日は、18日にアメリカがマーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日で休場する。振替休日で本当の誕生日は15日。本当の投資家の価値は、困難と闘うときに現れる、か?

 国内の経済指標、イベントは少ない。18日には11月の鉱工業生産確報値、第三次産業活動指数、12月の全国百貨店売上高。日銀の支店長会議が開かれ地域経済報告「さくらレポート」が発表される。19日には12月の首都圏新規マンション発売、訪日外国人客数。20日には12月の全国コンビニ売上高。21日には11月の全産業活動指数、12月の全国スーパー売上高、食品スーパー売上高。22日には11月の毎月勤労統計調査の確報値、1月の日経製造業PMI速報値。

 主要銘柄の決算発表は4~12月期(第3四半期)決算、12月期本決算の発表が本格的に始まる。安川電機は20日、日本電産は21日。19日はゲンキー、ブロンコビリー、安川情報システム、津田駒工業、ティムコ、リーバイ・ストラウス。20日はスーパーツール、安川電機。21日は日本電産、DNAチップ研究所、総合メディカル。22日はモバイルファクトリー、光世証券、帝国ホテル、東京製鐵、ジャフコ。

 新規IPOは3月まで、揺れ動く外界をよそに安らかに冬眠中。

 海外の経済指標、イベントはECB理事会をはじめ、中国GDP、ドイツZEW、アメリカの住宅指数など重要なものが多い。

 18日には中国の70都市の新築住宅価格。UAEのアブダビで「世界未来エネルギーサミット/国際水サミット」が開会する。21日まで。

 19日には中国の12月の鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資、10~12月期GDP、ドイツの12月の消費者物価指数確報値、英国の12月の消費者物価指数、ドイツの1月のZEW景況感指数、アメリカの1月のNAHB住宅市場指数、11月の対米証券投資。トルコで政策金利が発表される。

 20日にはオーストラリアの1月の消費者信頼感指数、英国の12月の失業率、アメリカの12月の住宅着工戸数、建設許可件数、消費者物価指数。カナダとブラジルで政策金利が発表される。「世界経済フォーラム(ダボス会議)」が開会する。23日まで。

 21日にはECB理事会が開かれ政策金利が発表される。ドラギ総裁が記者会見を行う。フランスの1月の製造業信頼感指数、ユーロ圏の12月の消費者物価指数、アメリカの1月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数。

 22日にはフランス、ドイツ、ユーロ圏の1月のマークイットPMI速報値、英国の12月の小売売上高、アメリカの12月のシカゴ連銀全米活動指数、中古住宅販売件数、12月のCB景気先行総合指数。

 アメリカの主要企業の決算発表は10~12月期の発表が佳境に入る。19日にバンク・オブ・アメリカ、モルガンスタンレー、IBM、ネットフリックス、AMD。20日にゴールドマンサックス。21日にベライゾン、スターバックス、シュルンベルジェ、アメリカンエキスプレス、トラベラーズ、インテューイティブ・サージカル。22日にGE。

 前週末15日の終値は17147.11円。週間騰落は550円安だった。昨年末の大納会から1886円も下げている。テクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は全て上にあり、下から順番に5日線の17404円、25日線の18558円、75日線の18778円、200日線の19442円。日足一目均衡表の「雲」は18456~19527円。その下限にたどり着くまで1309円も距離がある。今週は雲の下限は18456円で一定だが、上限は19481円から20日に19510円まで上がった後、22日に19309円まで下がる。もっとも、現状の水準からすればよその惑星の話をしているようなもの。

 ボリンジャーバンドでは、15日終値は25日線-3σの16489円と-2σの17179円の間にある。-2σの外に出る確率は、統計学の「正規分布」の考え方では4.55%の確率しかない。2016年の東証の取引日数245日で計算すれば11日で、その意味では今は2016年の「陰の極」にあるとも言えるが……。