今春、1月11日に開催された北米国際自動車ショー(デトロイト)の特設ステージでレクサスは、新型のハイパフォーマンス・ラグジュアリー・スポーツクーペ「LC500」をワールドプレミアした。その後、多少ではあるが追加情報が分かったので報告する。
今年のデトロイトショーで、もっとも注目を集めたのは2ドアクーペの流麗なレクサスLC500だった。プラットフォームは完全なる新設で、最上級サルーンの次期LSもこれを共有するといわれる。日本での発表はおそらく2016年末と思われる。ちなみに、カンファレンスで登壇したのは同社の豊田章男社長。デトロイトショーでスピーチするのはこれが初めてだ。
LC500だが、実は今から遡ること4年前の2012年のデトロイトショーで、このLC500のベースとなる「LF-LC」のデザインスタディを発表していた。
今回発表のLC500の全長×全幅は4760×1920mmというロング&ワイドなディメンションだが、全高は1345mmとかなり低く抑えられている。ホイールベースは長く2870mmだ。いわゆるスポーツクーペで典型とも言えるワイド&ロー・スタイルのロングノーズ&ショートデッキ。
このクーペの最大のアピールポイントは、このデザインにある。新開発FRプラットフォームを採用しシャシーを新開発したことで、トヨタ車ベースというデザイン的な制約がなくなった。結果、タイヤは大地に踏ん張るように四隅に配置され、そこに低いルーフの魅力的なエクステリアが載る。
フロントに245/40RF21サイズ、リアに275/35RF21サイズのタイヤを装着する。当然ながらフロント・ミッドシップ・レイアウトとなっており、高剛性ボディ、新開発マルチリンク式サスペンションを採用する。
そのフロントフード下に搭載するエンジンは5リッターV型8気筒NAだ。最高出力は475ps/7100rpm、最大トルクは530Nm(54.1kg.m)/4,800rpm〜5600rpmだ。駆動方式は先にも述べたようにFR。新開発の10速オートマチックトランスミッション(10AT)と組み合わせるというから驚きだ。フラッグシップスポーツとして不足のない動力性能を披露するに違いない。
さらにフロントタイヤを前進させ、前後オーバーハングの重量物を取り去り、スポーツクーペとしての理想的なバランスを獲得している。
ボディ外板にはアルミやCFRP(炭素繊維強化樹脂)を使用するなど、軽量化も徹底。走行性能向上を目的に低重心化、ヨー慣性モーメントの低減が図られている。これがもたらす走り味は、軽快であり奥行きのあるものに違いない。絶対的な速さにも期待したい。が、むしろ運転しやすく、気持ちのいい走り味がLC500の身上だと思える。(編集担当:吉田恒)