免震棟撤回問題 規制委審査「空洞化」の危機

2016年01月28日 11:17

民主党の枝野幸男幹事長は27日夕の記者会見で、九州電力が川内原発免震棟建設を撤回した問題に「このようなことが認められれば、原子力規制委員会の審査が空洞化しかねない」と懸念とともに、強く問題視した。

 枝野幹事長は「住民の信頼を得られるものではない」としたうえで「総理も官房長官も安全が最優先と繰り返し言っているのだから、九州電力に対し適切な指導をすべきだ」と当初に原子力規制委員会が審査した際の条件に戻させるべきだと政府の対応も求めた。

 また甘利明経済再生担当大臣のこれまでの国会答弁について「大臣からはまったく説明がなく、極めて遺憾。少なくともご本人が直接関与した部分については説明すべき」とし「時間稼ぎと言われてもやむを得ないのではないか」と大臣室で金銭授受があったのか、自らかかわったとされる具体部分の説明はすべきとした。

 甘利大臣は「週刊誌報道の内容には私の記憶と違う部分があり、慎重に確認を重ねる必要がある」などとして、説明は28日まで引き延ばされている。一方で「事実を確認のうえ、国民に疑惑を持たれないよう、しっかりと説明責任を果たして参ります」と国会答弁している。(編集担当:森高龍二)