今週、2月第2週(8~12日)は11日の木曜日が「建国記念の日」で休場するので4日間の取引。12日は「マイナーSQ(オプションSQ)」の日で、今週はSQ週になる。
世界の主要株式市場の休場日は、中国、香港、台湾、韓国、ベトナムなど中華圏で「春節(旧正月)休暇」がある。上海など中国本土市場、台湾、ベトナムは今週の8~12日全て、香港市場、韓国は8~10日が休場する。8~9日はブラジル・サンパウロ市場がオルフェに逢った「カーニバル」で休場。それ以外の国は8日にインドネシア、マレーシア、シンガポール、ニュージーランド、フィリピンが休場し、9日にマレーシア、シンガポールが休場する。春節で、東南アジアの都市でも南京街はちょっとした騒ぎ。
国内の経済指標、イベントは、8日には12月の国際収支、毎月勤労統計調査、1月の景気ウォッチャー調査が発表される。1月28、29日に開かれマイナス金利導入を決めた日銀の金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。談論風発また良き哉。9日には1月のマネーストック、10日には1月の国内企業物価指数(PPI)、1月の東京都心部オフィス空室率が、それぞれ発表される。12日は「マイナーSQ(オプションSQ)」の日。JAXAがH-2Aロケット30号機でX線天文衛星を打ち上げる予定。
主要銘柄の決算発表は3月期決算企業の4~12月期(第3四半期)決算が終盤で、主要銘柄の発表が相次ぐ。
8日にはスズキ、いすゞ、USS、名鉄、浜松ホトニクス、東急不動産HD、TC-Lease、九州FG、第一興商、東京建物、スクリーンHD、GMO、ジャパンディスプレイ、岩谷産業、東洋紡、日本製鋼所、マルハニチロ、東和薬品、ユニプレス、安藤ハザマなど。
9日にはKDDI、ダイキン工業、シマノ、SMC、東レ、住友不動産、ルネサスエレクトロニクス、近鉄GHD、資生堂、大成建設、ヤマハ発動機、大林組、大日本印刷、清水建設、鹿島、バンダイナムコHD、島津製作所、クラレ、三菱マテリアル、太平洋セメント、リゾートトラスト、日本マクドナルドHD、沢井製薬、ロート製薬、青山商事、荏原、平和、ゼンショーHDなど。
10日にはソフトバンクG、日産自動車、リクルートHD、セコム、東急、小田急、ネクソン、西武HD、凸版印刷、ホシザキ、サンドラッグ、関西ペイント、日揮、アマダHD、長谷工、エア・ウォーター、昭和シェル、ライオン、カルソニックカンセイ、すかいらーく、サンリオ、THK、ダイフク、ハーモニックドライブ、サッポロHD、そーせいG、日本製紙、ニプロ、昭和電工、アイフルなど。
12日には日本郵政、ゆうちょ銀行、東京海上、三井不動産、大塚HD、サントリー食品、楽天、第一生命、ユニチャーム、かんぽ生命、損保JPNK、T&DHD、ソニーフィナンシャル、飯田GHD、山崎製パン、東燃ゼネラル石油、ラオックス、マブチモーター、アシックス、テンプHD、ユーグレナ、住友ゴム工業、光通信、マツモトキヨシHD、横浜ゴム、DIC、ナブテスコ、サイバーダイン、シチズンHDなど。
新規IPOは24日までお休み。
海外の経済指標、イベントは、7日にはアメリカのサンタクララでNFL「スーパーボウル」が開催される。8日にはドイツの12月の鉱工業生産指数、インドの10~12月期のGDP。9日にはドイツ、英国の12月の貿易収支、アメリカの12月の卸売在庫。10日にはオーストラリアの2月の消費者信頼感指数、フランス、英国の12月の鉱工業生産指数、アメリカの1月の財政収支が、それぞれ発表される。イエレンFRB議長が連邦議会で議会証言を行う。11日にはユーロ圏財務相会合が開かれる。12日にはインドの1月の消費者物価指数(CPI)、12月の鉱工業生産指数、ドイツ、ユーロ圏の10~12月期のGDP、ユーロ圏の12月の鉱工業生産、アメリカの1月小売売上高、輸入物価、12月の企業在庫、2月のミシガン大学消費者信頼感指数が、それぞれ発表される。
アメリカの主要企業の決算発表は、9日にコカ・コーラ、ウォルト・ディズニー、10日にテスラ・モーターズ、11日にケロッグ、AIGが、それぞれ発表する予定。
前週末5日の日経平均終値は4日続落し16819.59円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると移動平均線は全て上にあり、近い順に5日線が17334円、25日線が17377円、75日線が18610円、200日線が19255円。25日線より558円、5日線より515円も低いが、それでもボリンジャーバンドでは16721円の25日線-1σと18034円の+1σの間のニュートラル・ゾーンで、売られすぎの度合いはそれほど大きくない。
日足一目均衡表の「雲」は18885~19273円。下限までの距離は2066円もあり相変わらず「光年のかなた」だが、今週の雲に大きな変化あり。8日と9日の間で「ねじれ」を起こすからだ。雲のねじれは「変化日」になりやすいと言われ、現状に即して言えばマーケットに春が来るのか? 「何もない春です」かもしれないが……。今週の上限は8日の19167円から12日の18889円まで下がり、下限は8日の19045円から12日の18665円まで下がる。2月はこの先、上限は18014円、下限は17375円まで「天孫降臨」するので、「雲抜け」の可能性が次第に高まっていく。
オシレーター系指標も「売られすぎ」シグナルの点灯は1個だけ。25日騰落レシオがそれで、63.02で売られすぎ基準の70を下回った。25日移動平均乖離率は-3.3%、サイコロジカルラインは前週4連敗しても5勝7敗で41.7%、ストキャスティクス(9日・Fast/%D )は35.2、ボリュームレシオは43.0、RSI(相対力指数)は48.7、RCI(順位相関指数)は+40.6で、それなりに低いものの売られすぎ基準まで達していない。トレンド系もオシレーター系も、テクニカル指標ではSQ週の今週、さらに下げてしまう余地がある。
日銀のマイナス金利導入で東京市場が「動転」した1月29日時点の東証発表の需給データをチェックすると、信用買い残は2兆9115億円で22日から577億円減少。減少は3週連続。信用売り残は22日から425億円増加して5576億円で、5週ぶりに増加に転じた。現物株の裁定買い残は22日から509億円増加して2兆1632億円で、4週ぶりに増加した。裁定売り残は22日から9億円減の4381億円で、3週ぶりに減少している。信用買い残以外は方向転換。信用倍率(貸借倍率)は5.22で22日の5.76から大きく後退。これも需給状況の転換を示している。だがそれは、1月29日時点のお話。
1月25~29日の週の投資部門別株式売買動向は、外国人が4週連続の2073億円の売り越し、個人が4週ぶりに売り越しに転じて685億円の売り越し、信託銀行が10週連続の2707億円の買い越しだった。「需給三国志」は外国人と個人の売り越し同盟に信託銀行の買い越しが均衡するという、あまり見ない形だった。だがそれも前週ではなく前々週のお話。
前週の「はげ落ちたマイナス金利効果」が需給データに現れたのが、東証が発表するカラ売り比率だろう。前々週には連日40%を超えていたが、1日は37.6%、2日は37.9%と、マイナス金利効果なのかいったんは下がった。しかし3日は40.4%、4日は39.6%、5日は40.2%で、40%前後の水準に戻ってしまった。前週は為替レートも日経平均も1月29日の日銀会合前に戻ってしまったが、需給データもそうなったことがこのデータから推測できる。
テクニカル面では下げ余地があり、需給データは17100円台が精いっぱいだった前々週の日銀会合結果発表以前への後戻りを暗示し、それに加えて今週はマイナーとはいえSQ週。節分は過ぎたがSQ週の火曜日、水曜日は「鬼門」だ。11日の祝日休場は木曜日で、見事に鬼門を外してくれている。上海市場が休場でも「鬼の居ぬ間に洗濯」とはいかないだろう。さらに、5日に発表されたアメリカの1月の雇用統計の結果も良くなかった。
非農業部門部門雇用者数の伸びは15.1万人で市場予測の19.0万人を下回り、11、12月の数値もそれぞれ2000人下方修正された。しかし失業率は4.9%で市場予測の5.0%よりさらに改善。平均時給は+0.5%で市場予測の+0.3%より良く、強弱まちまちな結果だった。アメリカの1月の貿易収支はほぼ市場予測通り。しかしNYダウは211ドル安で、ドル円は116円台のまま。CME先物清算値は16560円まで低下した。
これでは今週、とても期待できない。8日に日経平均終値がCME先物清算値の16560円付近まで下げても、9日、10日はSQ週の火曜、水曜で、さらに下がることを覚悟しなければならない。休みが1日入って12日に反発するとしても上値は日銀会合前のように17100円台どまりだろう。一方、下値のメドは5日終値から約500円下げ、25日-2σの16337円あたりとみる。
ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16300~17100円とみる。8日と9日の間で起きる日足一目均衡表の「雲のねじれ」が、良いほうではなく悪いほうに向かう変化日になる恐れも、なくはない。(編集担当:寺尾淳)