ITツールを活用して効率をあげる「ゆとり営業」が増加中?

2016年02月11日 10:41

 WEICは、世代とともに変化する営業スタイルを調査するため、管理職や部下を持つ社員を対象に「あなたの職場環境に関するアンケート」を実施した。

 近年、新規事業のテストマーケティングに利用したり、ネット運営者を中心にサイトへの情報掲載事業者を短期的に集めることを目的に営業代行会社を利用する例が増えている。

 その一方で、自社で泥臭い営業をすることが苦手な会社が増えている傾向があるという指摘があり、今回その実態や原因などを浮き彫りにするために調査を企画、実施したと同社は述べている。

 「営業力は低下していると感じているか?」という質問に対して「感じている」企業が約2割、「どちらかといえば感じている」(44.8%)を合わせると、自社の営業力が低下していると感じている企業は7割近くに上ることが判明した。自社営業力に関して多くの企業が懸念しているということが伺える。

 「営業力低下の原因として考えられるものは?」という問いに対しては、「営業マンが不足している」がトップで約半数に上る。「営業マンが採用できない」「営業マンがすぐやめてしまう」なども含めて、営業人材のリソース不足が営業力低下の主要な課題と考えられる。また、顧客への提案やヒアリング、クロージングなど営業マンのスキルに問題があるとする回答も多く見られた。

 「営業担当者のどの年代の営業スキルが低いと感じているか?」に対しては、1位「30代前半」(36.7%)、2位「40代前半」(31.9%)、3位「20代前半」「30代後半」(28.5%)と続く。

 営業活動を担う中心世代となる中堅層に対しては厳しい結果となった。20代前半は経験不足を考慮しての結果と考えられるだろう。

 「アポ取りができない」「ヒアリング力が弱い」「顧客とのコミュニケーションが苦手」「商品案内など口頭での説明がうまくできない」等、コミュニケーション能力に関して年代が若いほど低下する傾向がみられた。特に「アポ取りができない」「商品案内など口頭での説明がうまくできない」で20代など若い世代とほかの世代との差が大きくなり、若い世代の口頭でのコミュニケーション力不足を露呈する結果となった。

 そこで、「若い営業マン(20代)のコミュニケーション能力は高いと思うか?」と問いかけたところ、「高いと思う」(7.8%)、「どちらかといえば高いと思う」(28.8%)、「低いと思う」(18.3%)「どちらかといえば低いと思う」(45.3%)という結果で、20代の営業マンのコミュニケーション能力について6割超が低いとの回答を得た。その理由として上げられたのは、「口頭でのコミュニケーション不足」(59.4%)が6割近くとなりトップ。次いで「何でもメールで済ましてしまう」(37.8%)、「コミュニケーションの必要性の意識低下」(33.5%)と続いている。

 「スマートフォンの普及」と「SNSやメールなどのコミュニケーションツールの普及」を合わせると4割超になることから、口頭コミュニケーション不足を引き起こしている大きな要因の一つがSNSなどのツール頼みになっていると読み取れる結果となった。

 「何でもメールで済ましてしまう」のは、ゆとり世代ならではの「ゆとり営業」とでも言えば良いのだろうか。(編集担当:久保田雄城)