高市早苗総務大臣は11日アップの自身のブログで、民主党の奥野総一郎議員が8日の衆院予算委員会で質問した内容に触れ「放送法4条が『倫理規定』で『法の規範性』を有することが問題とするなら、民主党の政権時代にも『法の規範性がある』としてきた」ので「民主党内で統一した見解をまとめて頂き、議員提出法案として『放送法』と『電波法』の改正案を提出されるという手段もあるかと思う」と議員立法で改正案を提出し、議論する方法もあるとした。高市大臣自身は法の規範性を有しており、これまで通りで良いとの考えだ。
ブログでは奥野議員が懸念、提起した問題の解決策として「放送法第4条の条文を『放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。』(現行法)としている部分を『放送事業者は、…放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めることに配慮するように努める。』に改め、『電波法』第76条が規定する『総務大臣による無線局運用停止命令』の部分を廃止する」方法を例示した。
そのうえで、高市大臣は放送法4条に基づく電波法76条の規定の有用性について「テロリスト集団が発信する思想に賛同してしまって、テロへの参加を呼び掛ける番組を流し続けた場合には、放送法第4条の公安及び善良な風俗を害しないことに抵触する可能性がある」「免許人等が、地方選挙の候補者になろうと考えて、選挙に近接した期間や選挙期間中に自分の宣伝番組のみを流し続けた場合には、放送法第4条の政治的に公平であることに抵触する可能性がある」とした。
高市大臣は「多くの視聴者から苦情が寄せられ、総務省が数次に渡って改善を要請しても、相手が応じない場合には『視聴者の利益』や『公益を守る』為に、これらの行為を阻止できる唯一の手段が電波法第76条の規定なのだろう」と認識を示した。
また高市大臣は1番組のみで総務省から行政指導を受けた事例について「平成16年3月20日に自民党だけの政党広報番組を放送した地方局、総選挙投票日直前の平成15年11月4日に民主党だけのPRとなる番組を放送したキー局、いずれも『政治的に公平であること』との関係において行政指導(厳重注意)を受けている」とし、1番組のみでも『極端な場合』には行政としての対応があるとした。(編集担当:森高龍二)