日本共産党の穀田恵二国対委員長は22日、衆院選挙制度調査会の答申に対し「受け入れられない。反対だ」と大島理森衆院議長に伝えたと語った。
反対理由に第1は、定数削減ありきの答申である。第2は、議席削減は国民の選ぶ権利を弱体化させることになる。有為な人材を集めるうえで機能が落ちる。国民の代表者たる議員を減らすことはいかがなものか。第3は、現行の選挙制度の害悪を無視し、温存を前提にしているなどをあげた。
日本共産党は「選挙制度については各党で協議すべきこと」との考えで、調査会の設置そのものにも反対してきた経緯あり、当初の姿勢を変えなかった。穀田国対委員長は「答申は尊重するにあたわず」と尊重できないとした。そのうえで、今の選挙制度の問題点を明らかにし、廃止すべきとの考えを示した。
社民党の吉川元政審会長は22日、衆院選挙制度調査会の答申に「賛同しかねる」と定数削減について反対してきただけに、賛成できない旨を大島衆院議長に伝えた。
一方で、吉川政審会長は、自民党が小選挙区で0増6減、比例で4減と、調査会が答申で示したアダムズ方式による10減と違う方式で削減案を検討していることについて「自民党さんは、調査会にお任せすると言ってお任せになったのに、今になって、(小選挙区での)0増6減というのはちょっと失礼ではないのか。全てお任せしますと言っておいて、自分たちに都合が悪ければ、そうではなくて、こうしましょうというのはどうか。特に、アダムズ方式を抜いてしまえば(答申とは)かけ離れたものにならざるを得ないのではないか」と提起した。
生活の党の玉城デニー幹事長は調査会答申について22日、「概ね党の提案も受け入れられており、細かい点を言ったらまとまらない」と答申に一定の理解を示したうえで、大島議長から「3度にわたる違憲判決を重く受け止め、今国会でやりたい」と言われたことには「異論ない」と今国会での成立に賛意を伝えた。(編集担当:森高龍二)