26日、2015年に行われた国税調査の速報値が発表された。それによれば、日本の人口は調査開始以来初めて減少し、調査を行った総務省はこの結果について、日本は人口減少の局面に入ったとの認識を示している。
総務省が発表した国税調査の速報値によれば、15年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は1億2711万47人であり、前回調査が行われた5年前と比べて94万7305人減少、率にして0.7%減となった。各種統計の基本となる国税調査でこうして人口が減少したのは、1920年の調査開始以来、初めてのこととなる。総務省は人口減少の要因について、死亡数が出生数を上回る自然減は、毎年20万人程度で推移しており、日本の住む外国人は増加傾向にあるとみられるが、自然減がそれを大きく上回ったためと分析している。
人口が減少したのは全都道府県のうち39道府県で、そのうち、33道府県で減少幅が拡大している。最も減少幅が大きかったのは秋田県で、前回調査と比べて5.8%減となっている。そして11年3月に発生した東日本大震災で特に大きな被害を受けた岩手県、宮城県、福島県の3県は、震災前の前回調査と比較すると、岩手県が5万人、宮城県が1万4000人、福島県が11万5000人それぞれ減少した。率では岩手県が0.2%増、宮城県が0.1%減と大きな変動はなかった一方で、福島第1原発事故が起きた福島県は2.7%減と人口減少が加速している現状が浮き彫りとなった。
人口が増加したのは8都府県で、最も増加幅が大きかったのは沖縄県で、前回調査と比べて3.0%増となっている。出生率の高さと移住増が要因とみられている。次いで東京が2.7%増。東京都を含む、埼玉県、千葉県、神奈川県などの東京圏の人口は増加傾向にあり、約3613万人と、前回の調査から約51万人増加している。このことからも、東京一極集中傾向が続いていることがうかがえる。
世帯数は5340万3226世帯で、前回の調査から約145万世帯増え、率にして2.8%増となった。1世帯あたりの人員は2.38人と、前回の調査を0.08下回り、依然として核家族化が進行し続けている。(編集担当:滝川幸平)