スズキの船外機は1965年のデビューで、ヤマハやホンダとともに長い歴史を持つ。昨年、デビュー50周年を迎えた。
今回、パシフィコ横浜において開催された日本最大のマリン展示会である「ジャパンインターナショナルボートショー2016」(2016年3月3日〜6日)のスズキブースでは、“究極の「ワクワク感」と「満足感」をすべてのマリンユーザーに届ける”をテーマに、幅広いラインアップの4ストローク船外機シリーズを展示した。
そのなかで今回、世界初公開として展示した新製品「DF5A」「DF6A」が熱心なスズキファンの注目を集めていた。これまでスズキの5馬力モデルとして人気を誇ってきたDF5シリーズのモデルチェンジ版だ。新たに6馬力バージョンの「DF6A」をラインアップに加え、操作性に優れた軽量コンパクトモデルとして生まれ変わったというわけだ。
「DF5A」「DF6A」の最大の特徴は“軽量設計”で、従来型を徹底的に見直す設計で臨み、クラス最軽量の24kgを実現した。軽量化は、いうまでもなく持ち運びやすく、かつ操縦性のさらなる向上につながる。
クランクシャフトの位置をシリンダー中心からわずかにずらすオフセットクランクシャフトの採用で、ピストンの上下運動の際の側圧が軽減されスムーズな動きになり動作効率が向上。潤滑システムを再設計し、組み合わせるオイルフィルターをクラス最高とすることで燃費性能も大きく向上したという。吸気口形状と吸気量を最適化したサイレンサーとしたことで、騒音を軽減したことも新型の特徴である。
また、新しい燃料システムと循環システムは、本体の保管の簡便さにも貢献する。船外機を寝かせて保管する際に“その向き”を気にする必要がなくなったのだ。
メンテナンスが容易な内蔵型燃料タンク、新しいチルトシステム、運びやすい形状のキャリングハンドルなど、さまざまな使用環境でいかんなくその性能を発揮するという。デザインは上級機の力強いフォルムを踏襲したポータブル船外機の新しいスタンダードといえそうだ。価格は13.0万円から15.768万円だ。(編集担当:吉田恒)