日本経済団体連合会の榊原定征会長は春季労使交渉での賃金引き上げについて「日本経済の最重要課題はデフレ脱却と経済再生の実現であり、賃金引上げへの社会的な要請がある」としたうえで「経団連としても積極的かつ前向きな賃金引上げを様々な場を通じて訴えてきた。史上最高益を記録した企業が多く出ているように企業業績は非常に堅調であり、前向きな結果が出ることを期待している」と年収ベースで昨年を上回る賃金引き上げを前向きに踏み込んで検討するよう経営者らに求めた。
榊原会長は「賃上げの中身は各社の実態にあわせてベースアップや定昇、賞与、手当など総合的に対応してもらえればよい」とした。
一方、消費税の来年4月の10%実施については「予定通り行うべき」とし「これは社会保障の安定と充実、財政健全化を着実に実現していくために絶対に必要」とした。
また「5%から8%に引き上げた際、駆け込み需要後の消費の反動減に苦しみ、消費はいまだ完全には戻ってきていない」とし「こうした事態を再び招いてはならない。今のうちに消費増税に耐えうる経済の底力をつけていくことが必要である」と実施前の経済環境づくりを強調した。(編集担当:森高龍二)