安倍総理「賃上げを」経済界に要請 諮問会議で

2016年03月13日 08:28

 安倍晋三総理は11日の経済財政諮問会議で成長と分配の好循環の拡大に向けた分配面の強化についての議論で「戦後最大のGDP600兆円の実現に向け、3巡目の賃上げの流れを着実に進めることで、家計の可処分所得を増やし、消費拡大につなげていくことが必要」と経済界に賃上げを要請した。

 また安倍総理は「一つ一つの施策について、効果がしっかり現れるよう、きめ細かな対応を行っていく必要がある」とし「いわゆる130万円の壁についても、来年度予算に短時間労働者の就労を促すための対応策を盛り込み、十分に活用されるよう、周知徹底する。また人手不足の状況などを注視し、必要に応じ充実、強化していただきたい」と語った。

 安倍総理は、また「外国人材の受入れが進んでいないという指摘のあった東京オリンピック・パラリンピックに向けて、我が国の労働市場を活性化する観点からも問題の所在を明らかにし、外国人材の活用をしっかりと進めていただきたいと思います」と必要な環境づくりを求めた。

 また、前川守内閣府政策担当官は会議では高市早苗総務大臣から「女性の就業調整について、しっかり対応が必要だ」との意見が出され、高市大臣は「売り手市場なのに賃金が上がっていかないことについて分析が必要」との意見。また「40代、50代の賃金、消費等が悪い印象。国際人材活用について、JETプログラムの終了者が国内で活躍いただけるよう経済界とも連携していきたい」考えが示された。

 また菅義偉官房長官からは「人手不足が極めて深刻であり、介護や保育に人が集まらない。女性の就労促進のためにも130万円の壁について、思い切った形での対応が必要である」との意見が出されたと説明した。(編集担当:森高龍二)