安倍晋三総理が党の主な会合で、夏の参院選挙が「自民・公明」対「民主・共産」の戦いになる。小選挙区の多くで共産が民主に協力し、候補を下ろす動きになると危機感を持って選挙戦に臨む必要を強調し始めた。
正しくは、総理の当てはめでいえば、14日にも新党名が決まる「民主・維新合流による新党・共産」対「自民・公明」の一騎打ちになるという意識づけになるのだろう。
自民党内に野党間の協力関係や1人選挙区での共産党の思い切った対応に危機感を持ち始めていることも否定できないようだ。高村正彦副総裁は党役員会で「党名を世論調査で決めるというのは『ザ・ポピュリズム』、選挙互助会にふさわしいものだ」と言ったそうだが、新党を意識せざるを得ないことを裏付けるものとも受け取れる。
一方、共産党の志位和夫委員長は「自民の野党共闘攻撃ビラを見た。政策が違う政党の共闘は『野合』というが、野党5党は安保法制廃止、立憲主義回復の大義のもとに結束している。また市民運動と連携している」と野合との指摘にはあたらないと切り返す。
志位委員長は「政策とは次元の異なる、国の土台を再建する仕事。これ以上の国民的大義はない」とする。今月発足する新党と共産・社民・生活の野党が自民・公明と与党補完勢力との戦いを挑む形になることが鮮明になってくるにつれ、与党候補・野党候補の一騎打ちが全国1人選挙区で生まれる可能性が高まってくることから、安倍総理が「自民・公明」対「民主・共産」の戦いを口にする機会が増えてきそうだ。(編集担当:森高龍二)