超高齢社会に突入した日本。2014年4月に総務省が発表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は前年比110万5000人増の3189万8000人。日本人口全体の25%を超える結果となった。今後もさらに高齢化が加速し、10年後の2024年には30%に達することが見込まれている。
エイジングケアを目的とした中高年層の消費行動が活発化して、健康食品では、大手メーカーを中心にアクティブシニア向けサプリメントが好調で順調に売り上げを伸ばしている。またフィットネスクラブの会員数も史上最高を記録したが、それを牽引しているのもやはり、50代・60代を中心としたアクティブシニア層だ。
とくに化粧品市場は顕著で、国内の市場が2兆3000億円前後で推移している中、エイジングケア化粧品だけは年々増加しているのが面白い。富士経済の調査によると、2013年のアンチエイジングスキンケア市場は前年比3.6%増の3480億円と堅調だ。
当然、各化粧品メーカーもシニア向け化粧品に力を注ぐべく、アイテムの充実を図っている。主に注目されている美容素材としては、エラスチンやアスタキサンチン、セラミド、プラセンタ、酒粕由来GABAやミツバチ由来の天然成分ローヤルゼリーなどが挙げられる。
例えば、アスタキサンチンとセラミドを配合した化粧品シリーズで中高年層から人気を得ているのが、富士フィルム<4901>の「アスタリフト」だ。同シリーズの特徴は、美容成分もさることながら、富士フィルムならではのナノ技術にある。薄いフィルムの階層に、超微粒子を安定的に配置するという技術を応用して、肌の必要なポイントに美容成分をピンポイントで浸透させる。
そして、ビタミン・ミネラル・アミノ酸を豊富に含み、抜群の保湿力を持つローヤルゼリーを配合した化粧品では、ミツバチ産品を専門的に扱う山田養蜂場の「RJスキンケアシリーズ」が人気だ。同社では、この春から新たに抗老化を目的としたエイジングケアのためのスキンケアシリーズ「RJエクセレント」を展開する。同商品には、新開発のビタミンAとEを内包した「微粒子ローヤルゼリーエキス」と、ローヤルゼリーを植物性乳酸菌で発酵させた「ローヤルゼリー発酵液」が配合されており、肌の活性化をサポートするとのこと。
また、プラセンタ美容液では、株式会社協和が展開するブランド・フラコラの「WHITE’st プラセンタエキス原液」が絶大な人気を誇っている。プラセンタエキス100%を贅沢に使用しているにもかかわらず、一瓶980円という圧倒的なコストパフォーマンスが大きな魅力だ。
超高齢社会だからこそ、そのニーズに応えるべく、より効果的な商品が続々と開発、投入されている。老いは特別なものではなく、誰にでも平等に訪れるものだ。老化に対抗する最良の美容成分は、それらの最新の美容製品を上手く利用し、いつまでも若々しくありたいという自分自身の抗老化精神なのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)