日本共産党の志位和夫委員長は党中央委員会総会で幹部会を代表しての報告で、夏の参院選挙について「今、日本は戦後最大の歴史的岐路に立っている」とし「それは独裁国家、戦争国家への逆流を許すのか、立憲主義・民主主義・平和主義を貫く新しい政治を築くのかの選択」とし「参院選挙はその選択を問われる最初の選挙」と語った。
志位委員長は、夏の参院選挙は歴史的な選挙との認識を示し「参院選挙は安倍政権打倒を目指し、野党共闘の成功のために力を尽くしつつ、躍進を勝ち取るという、これまでやったことのない新たな挑戦」と報告した。
志位委員長は現在の参院選挙情勢について「歴史の本流と逆流が真正面からぶつかり合う、戦後かつてない歴史的局面が生まれている。安倍政権は昨年9月19日、多数の国民の声を踏みつけにして、安保法制、戦争法制強行と言う暴挙を行った」と報告した。
志位委員長は「戦争法は憲法9条(戦争の放棄)を踏みにじって、自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みが幾重にも盛り込まれた明白な違憲立法」と断じた。
また「現行憲法の下で自衛隊は一人の外国人も殺さず、ひとりの戦死者も出してこなかった戦後日本の平和の歩みを根底から覆すもの」と指摘。
「憲法9条の下では集団的自衛権は行使できないという戦後60年余にわたる政府の憲法解釈を一内閣の勝手な判断で180度変更するという、立憲主義破壊の行為」と非難した。
また「安倍政権が憲法9条の明文改憲への野望をむき出しにしていることも、極めて重大」と指摘。「日本社会は戦後最も深刻な、権力者による憲法破壊、独裁政治に道を開く非常事態に直面している」と日本の民主主義社会の危機を提起した。
志位委員長は報告で「安保法制反対の運動を通じて、国民の1人ひとりが主権者として自発的意思で立ち上がり、戦後かつてない、新しい市民運動、国民運動が沸き起こり、豊かに発展している」と希望ある流れも出ているとも語った。(編集担当:森高龍二)