JTB は、「ゴールデンウィーク(GW)<4 月25日~5月5日の11日間(出発日基準)>に、1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめた。
ここ数年回復基調にあった国内の景気は、春季労使交渉の賃上げが小幅回答にとどまるなど個人の収入の伸びが思わしくないことや、新興国を中心とした世界景気の減速から、先行きの不透明感が高まっている。総務省が3月29日に発表した2月の消費支出も実質では前年同月比1.5%減となるなど、節約志向が強まっている。GW期間の旅行に関しては、節約傾向はあるものの、今回の旅行動向アンケートによると旅行意欲は昨年並みで、日並びもよいことから、国内旅行、海外旅行ともに昨年より増加する見込みだとしている。
国内旅行人数は、2,341.0 万人(前年比+0.2%)と微増、海外旅行人数は、2016 年に入り日本人出国者は増加に転じており、国際情勢の影響などはあるものの、燃油サーチャージの値下がりや若干の円高から、54.6 万人(同+2.8%)と予測している。
国内旅行平均費用は 3万5,200 円と前年比1.7%減、海外旅行平均費用は 25万9,000 円と前年比1.5%減と推計した。国内旅行費用は、景況感に影響されることが多く、景気に多少足踏み感が出てきていること、旅行動向アンケートにおいても「支出をふやしたい」が15.0%と前年より1.7ポイント減少し、「支出を減らしたい」が27.1%と0.9ポイント増加していることから減少すると見込んでいる。海外旅行費用については、近距離方面の旅行の増加や燃油サーチャージの値下がりにより減少するとしている。
旅行動向アンケートによると、「利用宿泊施設」については、「ホテル」40.0%(対前年+3.0 ポイント)、「実家・知人宅」27.2%(同+2.2)、「旅館」24.6%(同-7.4)「民宿・ペンション」9.7%(同+2.7)であった。昨年より、「ホテル」、「民宿・ペンション」、「実家・知人宅」が伸びており、節約傾向がうかがえる結果となった。旅行の同行者について聞いたところ、「家族連れ」は69.2%(同-0.8)と昨年とほぼ同じであったが、「友人と 2~3人で」は昨年からの伸びが高く(13.8%,同+4.8)、今年は友人との旅行が増えそうであるとしている。旅行の目的については、「自然や風景を楽しむ」16.4%(同+3.4)、「リラックスする、のんびりする」10.3%(同+4.8)が昨年より伸びている。
今年の GW は、平日を2日休めば10連休、平日を休まずとも3連休が2回という日並びである。また、4月以降燃油サーチャージが0円となり、為替相場は昨年に比べ円高傾向である。海外旅行については、休みが取れれば中距離・遠距離へ、3連休のどちらかの連休を利用して近距離へという多様な傾向がみえるとしている。(編集担当:慶尾六郎)